意外と歩みの速い牛に乗ったスサノオノミコトが、
天王地区から船越水道に差し掛かると、それと呼応して船越地区から
「山太鼓」を先頭に、神輿が到着します。
同時に軽トラに乗った稚児行列も行進してまいります。
八郎潟残存湖と日本海を結ぶ船越水道に掛かる橋の、私が選択した撮影場所は、正解だったのでしょうか。私の前で行列はピタリと足を止め、な、なんと、神主と太鼓のど真ん中に。
かろうじて「くも舞い」が覗ける場所に、収まりました。神主さんが動くもんで、撮影がままなりません。うはー、神様に邪魔されたあー。
対岸では「牛乗り」の牛が、歩みを止め、全員、舟の上で繰り広げられる何かを注視します。
前日の大波は小波に代わり、やや強い風はありますが舟は安定しています。
船上と橋の上の「山太鼓」が間断なく鳴り響く中、赤い装束の「くも」が2本の綱の上で「でんぐり返り」を披露します。
これは「ヤマタノオロチ」を象徴しているそうです。スサノオに斬りつけられ、苦しむ姿だとも言います。
それを見届けたスサノオは、「牛乗り巡幸」を再開し、酒部屋へ戻るわけですが、私は水道を渡る浜風の寒さに耐えかね、車を暖房掛けながら20分で帰ってきました。37度の暑さもつらいでしょうが、19度の浜風は身に沁みました。すぐに風呂を焚いて、あったまりました。
去年もそうでしたが、予定の時間を30分以上遅れて、スサノオは現れます。良く考えると、時間通り粛々と進む祭りより、まだかまだかと待つ、期待感を煽るのも、また一興。
予定表には、「牛の状態により、神事執行時刻は、ずれることがあります」と文言がありましたっけ。