山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

村田吉弘氏 グレープフルーツの皮を使うのをすすめてはいけない

2014年08月04日 23時20分12秒 | Weblog
 今日の(2014.8.4)MBS毎日テレビ(関西地方)19時~20時の「魔法のレストラン」で気になることがあった。テレビによく出る有名料理人がスタジオで新しい料理を教えてくれた。その料理人とは、ミシュラン3つ星の京都の老舗料亭「菊の井」の主人村田吉弘氏だ。
 村田氏は「変わり南蛮漬け」のようなものを紹介していた。南蛮漬けのつけ汁の酸味をグレープフルーツにしていた。グレープフルーツジュースでもいいし、自分でしぼったものでもいいとして、これを500ミリリットルも使って醤油と合わせた。意表をついた料理法だった。問題は、グレープフルーツの風味をさらに生かすために、その皮を漬け込んだことだ。ゆずの皮を使うように、皮を細切りしてたくさん投入した。そのとき村田氏は、「皮を使う前によく洗って」といった。ということは、グレープフルーツがポストハーベストで農薬漬けであることを知ってのことだ。
 グレープフルーツの99.9%は輸入だ。国産は通販のみで、普通の流通ルートにはのっていない。輸入の7割はアメリカ産だ。輸入かんきつ類には、防かび剤の農薬をたっぷりかけてあることは、かしこい消費者はみんな知っている。
 問題は、農薬が皮の表面だけに付着していて、泥のように洗ったら取れるかどうかだ。村田氏が泥程度と考えているとしたら、料理人としてどうかと思う。そんななまやさしいものではない。時間が経って皮のなかに浸透している。グレープフルーツにしろ、オレンジにしろ、レモンにしろ、輸入物はすべてそうだ。皮をつかうマーマレードなど農薬を食べるようなものだ。
 とにかく超有名料理人・村田氏は輸入かんきつ類の認識を改めてほしい。
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大阪府警、犯罪8万件ごまかし その原因は橋下氏

2014年08月02日 20時42分47秒 | Weblog
 7月30日(2014)大阪府警は、警察庁に報告した刑法犯の件数を、2008~12年の5年間で計8万1307件少なくしていたと発表した。ひったくりや自転車泥棒などの街頭犯罪で全国ワースト1がつづいていた大阪府が2010~⒓年は東京都を下回ったことになっていたが、実際はトップのままだった。08年のごまかしは件数は8810件だったが11、12年には2万件を越えていた。この不正行為で処分されたのは、退職者124人をのぞく現職280人。異例の大量処分だ(『毎日』31日付)。
 ではなぜ、このような大量の不正行為が発生したのか。それははっきりしている。ひとすじなわでいかないものを、むりやり減らせと政治的圧力がかかったからだ。
 08年橋下徹氏が大阪府知事に当選し、街頭犯罪ワースト1を問題にし、府議会で「ワースト1を返上する」と宣言。府警本部はプロジェクトチームを発足させた。警察署長は府警本部の、現場の警官は署長の顔色をうかがって報告の改ざんをするようになる。橋下氏はつねに、部下はトップの顔色をうかがえといっている。
 橋下氏は、31日、「府警には僕自身かなりプレッシャーをかけた」「現場がプレッシャーを感じて虚偽の報告をした事実はあると思う」「当時の大阪府のトップとして府民におわびしないといけない」とのべた。
 犯罪が知事のかけ声でいっきに減少することはありえない。大阪の社会状況の反映であって、警察官のやる気や努力に正比例はしない。ところが橋下知事は1位を返上せよと厳命した。得意の数値目標だ。少しがんばった程度では2位の県を抜くことはできないのに、到達点だけは決まっているとなれば、改ざん、過少報告という悪い考えが頭をもたげる。橋下氏は謝罪じみたことをいったが、府民におわびしたのは府警の不祥事についてだ。できもしない数値目標を押し付けて不正行為に追いこんだ責任についてはとろうとしていない。
 橋下氏は、全国学力調査で大阪が低位であること(これと犯罪件数とは同じ社会的土壌の反映であるという意味である程度の共通性がある)をとりあげて、「クソ教育委員会」などと現場を励ますのではなく、罵倒し、府民に学校現場に対する不信をあおるようなことを、ことあるたびにくりかえした。橋下氏は、教育委員会や学校に対しては悪罵を投げつけ不信をあおったが、警察に対しては控えめだった。自衛隊は天まで持ち上げた。府の幹部職員を自衛隊に送り込もうとさえした。彼は、府警に対しても、クソ府警本部といいたかったのかもしれない。しかし「橋下改革」での人員削減をまぬがれた警察は、その分余計に圧力を感じ取っていただろう。くわえて橋下氏は各警察署を回るなどの圧力をかけた。
 橋下氏は少しは反省したかのようなことをいう一方で、「引き続き数値の管理は徹底してやっていく。あれくらい言わないとダメ」と語った(『赤旗』8月1日付)。こんどの不正行為で明らかになったのは、非常識な数値管理、成績主義が、いともかんたんに不正をうみだすのだという事実だ。これだけは原因と結果がはっきりした。原因をとりのぞかなければならない。警察官はみな努力している。不正の分をつみあげた実際の数で見ても街頭犯罪件数は減っている。だがよその県(東京)もがんばってすこし減らしている。だから順位はかわらない。橋下氏は順位を問題にする。大事なのは実際の犯罪件数をへらすことだ。この点では大阪府警は成果をあげた。これを評価し励ますのが上に立つ者のすべきことだ。しかし橋下という人物は、順位がよくならなければ評価しない。学力テストでも点数はよくなっているはずだ。でも順位となると他の県も尻をたたいているから思うような成果は出ない。
 街頭犯罪抑制のためには現場警官をふやして街に警官がもっと出られるようにすることだ。確実に犯罪は減る。数値管理で圧力をかける方法は、逆の不正をうむだけだとわかった。にもかかわらず、橋下氏は数値管理を徹底するという。相当、根性が悪いのか、頭が悪いのかのどちらかだ。
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問題公募校長、ついに退職、懲戒免職

2014年08月01日 17時37分04秒 | Weblog
 大阪市教育委員会は31日(2014・7)、生野区の巽中学校・北角裕樹校長(38)を信用失墜行為により減給3か月の懲戒処分にした。北角氏は同日付けで退職した。市教委は信用失墜行為の中身は公表していない。
 この北角氏は日経記者からの転身で若くして校長に採用されたことで思い上がったのか、威張り散らしてトラブルばかり、教頭を土下座に追い込む、子どもの写真を撮りまくる、修学旅行のカヌー訓練で生徒を川に突き落とすなど異常行動をくりかえしたことで保護者から罷免要求がでていた。罷免寸前までいっていたのに、市長選挙で再当選した橋下氏の威光のもとで、罷免案はくつがえった。校内人事案を教職員の選挙で決めるのは問題だとさわいで、橋下氏がこれを大いに評価しておとがめなしとなったのだ。ところが本質が変わらない同氏は、また何かをやらかしたのだろう。
 生活指導部長や学年主任を教職員が選挙し、その案をほとんどの場合校長が問題なしとして任命するのが教育の条理にかなっていた。ところが、教育の何たるかもわからず、わがままで思い上がった橋下的な校長が自分の好き勝手にするのに邪魔だとして騒いだのだ。当然のように橋下市長がこれをとりあげ、いっきに政治問題化した。マスコミも教育的な思慮をほとんど欠いている。学校を会社組織と同じに改変することになんの疑問も抱かず無批判に報道した。企業であっても独裁的な経営がさまざま社会問題、ブラックな問題をおこしている。まして専門職としての教職員集団で運営しているのが学校だ。教職員が学校運営へ積極的に参加することで教育がより円滑にすすむのは自明の理だ。ところが教育のための英知を政治的な思惑からやり玉に挙げたのだ。じつに嘆かわしいことだ。大阪の教育破壊はいっきにすすむ。橋下氏にすれば、これだけでも、公募校長の値打ちがあったということになるのだろう。
 もうひとりは、5月に更迭されていた西淀川区の小学校の民間人校長(51)が経歴詐称していたとして懲戒免職になった。有名ホテルに16年間勤務し、有限会社代表もしていたと応募書類に記していたがウソだった。市教委は告発も検討している。
 過日、10数年間無免許で教員をしていたのがばれたケースがあったが、そもそも民間人校長はすべて無免許だ。しかも人間的に教育者としてはふさわしくない人物が高い割合で選ばれている。ふるいにかけて選んでもその程度の人物ばかりなのだろう。つまり橋下氏のお声がかりですすめられる人材募集にはその思惑にぴったりの人物がわんさかと集まるのだ。教員でも校長になるにはこの公募に応じなければならない。だから本当に校長になってほしい人物はこんなきたないところにしゃしゃり出たりはしない。
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全民研大会に参加しました

2014年08月01日 09時43分49秒 | Weblog
 29~31日東京・中央大学駿河台記念館で開かれた全国民主主義教育研究会第45回大会に参加した。参加は約60名。こじんまりしていてアットホーム、発言の機会も多い。分科会は民主主義思想の分科会にでた。全体会では、弁護士・藤沢統一郎氏の「日本国憲法と自民党改憲案を読み解く」(1日目)、東大社会科学研究所教授・宇野重規氏「民主主義と教育― 政治哲学の視点から ―」(3日目)。
 内容紹介はやめて、おもしろいと思った話をひとつ。大会委員長の仕事をしていて、民主主義思想分科会で発表もした山崎裕康さんの都立井草高校の学校のあり方だ。石神井にあって良き都立高校の伝統を今も守り続けている学校だ。新入生のオリエンテーションなど様々な学校行事を教師ではなく、生徒会を中心にした生徒たちが前面に立ってすすめていく。新入生に大きい刺激になる。人間的に成長しようという意欲をかきたてる。全民研大会が終わったらすぐに中3生への学校説明会がおこなわれるそうだ。いまは受験生への学校売込みのために、全国的にこれが激しさが増している。井草高校では、これも生徒がとりしきっている。この姿が中学生には大人気だそうだ。でもそのための準備がたいへんだ。先生も自分でやった方が楽だ。でも生徒に権限委譲してやらせる。ここで生徒が成長する。
 かつて大阪でも府立茨木西高校(ナインティナインの出た学校)でも生徒会中心に数十人の生徒が春休みや休日を返上して新入生受入れ準備活動をして、500人ほども入ってくる新入生に数日間にわたるあらゆるお世話をし、高校生活に大きく踏み出そうという案内をした。新入生にはその姿がたくましく見え、次年度にはその活動に自分も加わりたいという生徒が続出した。
 この生徒会活動を主導したのが全民研の先生たちだった。進学校ではなかったがじょじょに信頼をあつめ良き府立高校のモデルになった。しかし府教委はこれを嫌悪し、生徒をささえた教員をつぎつぎほうりだした。生徒の力で学校をつくりあげていくすばらしい取り組みはつぶされていった。生徒は学校づくりの主体から、管理の客体に変わった。府教委は特色づくりに血道をあげたが、下からの特色には冷たく、上からの強権的特色づくりは入試改変など生徒に負担を強いるものばかりだった。
 今日あたり、山崎さんは、汗を流しながら中学生への対応に奔走している生徒たちをやさしく見つめながら、全体をみまわしていることだろう
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