goo blog サービス終了のお知らせ 

黄昏どきを愉しむ

傘寿を過ぎた田舎爺さん 「脳」の体操に挑戦中!
まだまだ若くありたいと「老い」を楽しんでま~す

水墨画展に行く

2013-03-21 | 日記・エッセイ・コラム

桜前線も日本列島を移動し始めた爛漫の春です。

隣組の長老?さんが長年描きためた水墨画を喜寿を迎える記念に

作品展を開くことに・・・・の案内状をいただきました。

025

渡辺氏は、この地域の不動産事業の老舗経営者であり、また町の名士かつ人望家で

本業の仕事は精力的にこなし、息子さんの代へのバトンタッチも準備万端で会長職で

まだまだ若いもんには・・・・の血気盛んな老人です。

出勤前の数時間、帰宅後の数時間を農作業にいそしみ、余暇には変わり身よく

繊細な筆を操り「水墨画」をと。

画号は「遊峰」

洒落てるね・・・・霧の立ち込める深山の峰で、浮世離れの仙人のごとく時間を遊ぶ。

の心境かもね。 いや、恐れ入りました。

忙しい時間を巧みに使い分けて人生を楽しんでいらっしゃる・・・。

昔流に言えば、そう、「飛んでいる老人」の一人です。

私にとって、公私とも随分とお世話になっている人生の先輩でもあります。

でも、普段の真人間の顔は、そう、普通の田舎のおっちゃんですが。

とっても愛嬌のある美男子ですぞ! でも、怒らせると案外凄いのかも?

御年、「喜寿」を迎え、個展を開く・・・・凄いの一言ですね。

さっそく出かけてきました。

一番に目に入ったのが、額装の「ハロン湾」の題した作品が。

020
ハロン湾・・・北ベトナム最大の観光地

湾内に3000近くの島や奇岩が点在して、1994年には世界自然遺産に登録。

「龍が降り立った場所」と言う意味を持っているこのハロン湾。

一目見たら・・・・これどこかで? と思う方もいらっしゃる。

そう、別名「海の桂林」と呼ばれているんです。 

仲間と一緒にベトナムに行った時の感動が、去年の作品でした。

もうひとつ、今度は中国での想いでの作品が。

「黄山に遊ぶ」

021
仙人が本当に幽谷の中で遊んでいるのかも?

黄山・・・中国の名山数々あれども、こんな詩が。

「五岳より帰り来れば 山を見ることなし 黄山より帰り来れば

五岳を見ることなし」  中国には、他にも有名な泰山、華山、恒山、芦山、峨眉山

の五山あり。 黄山を見たならば、他の五山を見る必要はないという意味。

そんな雄大な景色を目の当たりにして、脳に焼き付けたイメージを再現。

将に、画号「遊峰」の面目躍如の作品だと思います。

描いている本人が一番気分が乗っていること間違いなしだよ。

いい絵ですね。

作品は? 正確には数えていませんが・・・24~25点も。

今、この春の雰囲気の作品も。

会場で、少し本人との会話で・・・・これ、一番のお気に入り・・・と。

この作品です。

満開の桜の図

今、盛りと謳歌する華やかな花であると同時に、命短い桜の息吹を

ほんのりと感じさせる細やかな筆の運びはやはり「墨」の濃淡がなせる業

ではないでしょうか。

今、墨彩画も多くありますが、やはりここは墨一色の表現に勝るものなし。

そんな力強さと、はかなさを惹きつける1枚です。

絵の評価って難しいんですよ。

本人が気に入っていても、素人(絵を描かない大抵の方)の「いい絵」とは

違いが出て来るものです。

でも、それでいいんです。 絵も、書も、みんなそれぞれで楽しむものですから。

028

渡辺氏の絵の師匠は「斉藤南北」 水墨画界の重鎮です。

その弟子の岡村南紅先生にも習っていらっしゃるとの由。 

思えば、今から30年前位に博多の本屋で「花の墨絵」に出会いました。

001

独学で少しずつ仕事の合間に筆遊びをしたのですが・・・・

熱しやすくて、冷めやすい・・・辛抱たらぬ私、物にはなりません。

描きたい気持ちはありながら、だらだらと時間ばかり経過の常でした。

そんな折、地域の文化講座で「南画」コースの募集があり、偶然にも私も、

例の「画本」の南紅先生に直接指導を・・・少しの時間手ほどきを受けました。

余談ですが、ちょっとミーハー気分で002先生に

記念のサインをおねだり・・・・。

そんな不真面目な生徒の習い事ではねぇ~。

でも、収穫は「葉」の描き方でした。 

特に、「椿」の葉の表現を。

渡辺氏の作品群にも、そんな1枚が。 

024

いい筆使いしていますねぇ~、今でも私にとっては難題ですが。

さて、水墨画にも、「色彩」をつけての表現にも味があります。

ことに、「花」に関しては、やはり「華」がないとねぇ。

私は、南紅先生の「紫」の表現が大好きで・・・そんな雰囲気の1枚が

会場の作品の中にもありました。

017
「墨と紫」

平安の昔から、いや、日本の伝統の色。 高貴な色といえばこの「紫色」ですね。

それも、ほんのり薄い、はかない、悲しみの性をもったような色合いです。

展覧会は、とかくゆっくりと作品を観賞するのが難しいのですが、今回は

ご本人さんも一緒に、作品にも触れられ、描くことの「喜び」を語っていただきました。

実に素敵な作品展でした。 本人曰く、「まだ、まだ未熟」と御謙遜・・・・・。

いや、でも、「未熟」の方がいいのではないでしょうか、何故って? 明日に期待ですよ。

案内状の一行に、「いくつになっても独りで楽しむもの」をと始めた・・・・云々。

どうして、どうしてこんな素晴らしい「絵」との出会いが出来るのならば・・・・

渡辺さん! 次回の記念作品展は、絶対「米寿記念」と銘打って開催してよね。

お互いに、「今を大事に」をモットーで日々を重ねて行きたいもの。

どうぞ、迷わず、「遊峰」画伯の作品を描きためて下さ~い!

「待ってま~す!」

今日は、気温も上昇! 気分も最高のいい日になりました。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 老舗の優雅さ | トップ | 卒業式(苅田まちづくりカレ... »

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
素晴らしい水墨画ありがとうございます。 (蝦名純)
2013-03-21 19:46:22
素晴らしい水墨画ありがとうございます。
パソコンでこんなものが見れるとは、隔世の感ありですね。
能力開発室で「5200」でしたかビジネスパソコンのときは大変でしたよね。
懐かしい。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。