黄昏どきを愉しむ

傘寿を過ぎた田舎爺さん 「脳」の体操に挑戦中!
まだまだ若くありたいと「老い」を楽しんでま~す

GW 前半の収穫は この本にあり

2018-05-01 | 日記・エッセイ・コラム

黄金週間、誰が命名したのだろうか?

 黄金を発掘するために荒野を走り抜け~

なんて昔の物語ではないだろうし、「休日」が連続し

何かを「見つける」チャンス

 それはそれぞれの心に秘めた時間の使い方にあるのであろう。

私にとっての前半GWは 今年はこの柳広司の「風神雷神」の

風の章、雷の章の2冊が黄金になった。

 

 この数年、ちょうど美術展の企画展などで絵師を狙って

足を運んでいたのでその興味と勉強の為に選んで読破してきた。

「若冲」(澤田瞳子)「狩野永徳伝」(神部眞理子)長谷川等伯」(安部龍太郎)

「松林図屏風」(萩耿介)墨龍賦{海北友松}(葉室麟)

そして「俵屋宗達」(柳広司)と続き~

その絵師に関わる周辺の人物「利休」「織部」にも目を凝らし読破

 まだ まだ 追いかけるのだが。

 

 それぞれ 時間を忘れさせる筆力の持ち主の展開は

 この年寄りでも興奮が止まない …

 

 この風神雷神に登場する人物は 宗達本人(俵屋伊年)と

宗達を取り巻く重要な役回りが 紙屋宗二 角倉(与一)素庵

 そして「本阿弥光悦」公家「烏丸光広」

 さらには狂言回し?の出雲阿国までも 顔を出し

ストーリーを面白くさせる。

 

 まず「絵」には「紙」が必須条件

その紙について深く勉強ができた。特に加工にあたっての技法

これは 絵師や書家にとっては作品の成果にも大きく影響するから。

まずは、宗達 最初の出会いは「光悦」

 本阿弥光悦と言えば、時代を代表する能書家、家業の刀剣ばかりではなく

工芸美術品にも精通し、万能の文化人…

 宗達が光悦の和歌色紙を見た瞬間から 始まった。

「こんな文字はみたことがなかった」

文中より…文字ひとつひとつが色紙の中で息づき、跳びはね、駆け出し

 足をとめ、羽根を伸ばし、また 跳びあがる。

 あるいは文字同士が互いに声を交わしているかのようだ・・・・

 

 時を経て~「嵯峨本」へと。

*「嵯峨本」は、木製の活字を使って印行された書物で、近世後期

  (18世紀から19世紀後半)に刊行された、いわゆる「古活字本」

  に分類されている。

  このキーパーソンは、角倉素庵、本阿弥光悦、俵屋宗達である。

 この「嵯峨本」の人気が高まるにつれて光悦のもとに

 さまざまな依頼が舞い込む。

  つまり「光悦の書」「宗二の料紙」「宗達の下絵」の組み合合わせ

 が始まる~ 「書」が先、「絵」が先 どちらともあり。

  書に合わせて、絵を。 書の空間に合った絵であり。

  絵の空間に合わせた書であったり~

 そして 双方の筆使いや、外題に合わせての「料紙」が求められ

 三人の関係性がその力量を上げていくことに…。

 宗達下絵 光悦の書 「鶴下絵和歌巻」 一部分

  絵と書によるセッションである。

  すべての絵は…立つ鶴二九羽 飛ぶ鶴百十羽。 金銀泥のみを用いて、連続する鶴の姿

   なのだ。

  

  

  彼は 京の町から 田舎 鷹峯に居を移す~一族郎党・知人・工人・職人らを呼び寄せ

  みなが自由に仕事ができる環境を整えたいと…隠棲した。 処世術のひとつであろう。

   *本当のところは、時の天下はいまや並ぶものなしの権力者徳川家康。

    天下統一後、手を緩めることなく、秩序を乱すものの駆逐をすすめていく。

    その標的に「文化人」も。

    「織部好み」と呼ばれる独自の意匠をを流行させた「古田織部」

     ”織部の美的センスはカブキに通じる”   のち切腹に。

     光悦も、 同じ道をたどっていた可能性は極めて高い…

     

  実は 「宗達」も当初は一緒に鷹峯に…の思いはあったのですが~光悦から話が合ったその時

  何故か断っている…そして 本業の俵屋の「扇」に。

   そのころ天下人 秀吉がなくなり 大きく時代のうねりが始まる

  そして 稀代のペテン師? 公家の「烏丸光広」との出会いで 大きく変わっていく。

  相国寺「蔦の細道図屏風」 六曲一双の屏風絵 宗達。                

 

   あら不思議 左右どちらに並べてもつながる 

 

 

  次に手掛けた大作 「西行法師行状絵詞」 

   平安時代の歌人、西行法師の行脚と詠吟の生涯を描いた伝記的絵巻物だ。

   古くから絵巻物表現の最高峰のひとつと謳われてきた。

   その模写を自分のものにしたい…。詞書は烏丸光広が。 下段は第1巻のもの。

 

    現在 東京出光美術館蔵  宗達の模写 絵には宗達の印はないが 

                光弘詞書(下段)に署名花押アリ

 

   まだ、まだ 続きますが また明日に。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「鵯」「烏」「雀」に勝ったぞ! | トップ | 昨日の続き「風神雷神」 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。