徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

映画「マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章」―インドの太陽が微笑む人生至福のとき―

2016-04-28 16:00:10 | 映画


 老年を迎え、新しい人生を歩み始めた男女7人を描いた「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」(2013年日本公開)の、装いも新たな続編である。
イ ンドのリゾートホテルを舞台に、生きがいのあるセカンドライフを模索する男女を描いている。

 新味を感じさせる楽しい作品だが、多すぎる(!)登場人物と様々なエピソードを欲張りすぎてどうしたものか。
 でも、作品全体の騒々しいほどのエネルギッシュなパワーには脱帽だ。












様々な事情で5人になった男女は、高級ホテルになる予定のオンボロホテルが今ではすこぶる気に入っている。
そんな彼らに、新たな選択が待ち受ける。
ホテルの若きオーナー、ソニー(デヴ・パテル)は、初めてのアメリカ出国に浮足立っていた。
事業拡大にために、投資会社の社長タイ・バーリー(デヴィッド・ストラーザン)に融資を持ちかける。
宿泊客から共同マネージャーに転身したミュリエル(マギ-・スミス)は、ティーバックと生ぬるいお茶を出され、こんなものは紅茶ではないと熱弁をふるう。
だが、バーリーはそんなミリュエルを気に入り、ソニーの話にも耳を傾ける。

ボロホテルだが、それでも充実した日々を送っていたイヴリン(ジュディ・デンチ)は、ホテルの責任者に抜擢され、一方で互いに好意を寄せ合っていたダグラス(ビル・ナイ)との関係は以前のままだ。
イヴリンは前に進む勇気がない。
ノーマン(ロナルド・ピックアップ)とマッジ(セリア・イムリー)は、経営を任された外国人クラブの不振と恋愛問題を抱えていた。
ノーマンは、生涯の伴侶と決めたキャロル(ダイアナ・ハードキャッスル)の浮気疑惑に悩み、マッジは地元の裕福な男性との間で心が揺れていた・・・。


舞台はインド、この国の色彩と音と人の数に圧倒された老人たちは、こちらの風土に抵抗なく馴染んでいた。
老いは新しい人生の始まりと、謳歌している。
インドの華やかなダンスや、歌、婚礼のシーンも楽しく見せており、期待を裏切られるようなことはない。
オーナーの勘違いがもたらしたもたつき、年を取っても枯れることのない恋心など、滋味あふれる名優たちの競演も賑やかで騒々しいほどだ。
ドラマに謎の客として登場するガイ・チェンバース(リチャード・ギア)が、ミステリアスな存在として一役買っている。

大筋ではソニーとスナイチ(テーナ・デサイー)の結婚と事業拡大騒動が物語の主軸になっている。
前作のようなドラマの温かみという点では、やや味付けも薄い。
とにかく、街の喧騒が凄い。
インドに欠かせないボリウッド・ダンスも健在だが、終盤の結婚パーティーは圧巻だし、揃いも揃った名優たちの競演もあきない。
ジョン・マッデン監督アメリカ映画「マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章」は、好むと好まざるとにかかわらず、じんじんと伝わってくる熱気に圧倒される。
陽気で底抜けに明るいコメディだ。
     [JULIENの評価・・・★★★☆☆](★五つが最高点
次回はグアテマラ映画「火の山のマリア」を取り上げます。