徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

<写真展> 100年前の世界へ~アルベール・カーン 平和への願い~

2011-02-16 15:00:00 | 日々彷徨
日本で初めてのアルベール・カーン写真展が開かれている。
「100年前の世界へ」と題するこの写真展、神奈川県とフランスのオードセーヌ県との、友好交流事業の一環として開催されたものだ。

アルベール・カーン(1860-1940)は、フランス・アルザスの出身で、鉱山の投資で成功し、金融界のリーダーにとどまらず、世界の異民族や文化を敬い、相互に理解することが重要だとして、自己の持てるものを平和のために注いだといわれる。

カーンは、1907年に、すでに持ち運び可能な天然色写真(オートクローム)が実用化されると、世界60ヶ国にカメラマンを派遣して、各地の日常の暮らし、失われゆく風景、戦争の様子、自然、建物などを記録させた。
鮮やかな天然色を実現することを可能にするために、1907年にフランスのリュミエール兄弟が、ジャガイモのでんぷん粒子を利用したオートクロームから実用化されたという話だ。
そんなこと、ちっとも知らなかった。

今回の展示では、天然色写真150点と、シネマトグラフ(映画)を展示している。
100年前、世界の街は、そして日本はどうだったか。
切り取られたひとこまひとこまが、妙に懐かしく見えてくる。
まあ、カーンは大富豪だったから成しえた、壮大な夢の実現の集大成というのだろうか。

興味深い展示が、いろいろ目を引く。
1910年代に、これだけの天然色写真があったというのは、正直、意外な驚きでもあった。
むべなるかな、カーンは、「儲けた金は社会に還元するのではなく、社会に還元するために稼いだのだ。」と言っている。
この「アルベール・カーンコレクション写真展」は、横浜市栄区にある、神奈川県立地球市民かながわプラザ(アースプラザ)で、各種イベントとともに、3月13日(日)まで催されている。
時間があったら、立ち寄ってみるのもいい。