徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

「選挙の自由」と言うけれど―ムダと迷惑!―

2009-08-23 06:00:00 | 雑感

厳しい残暑の中、選挙戦たけなわだ。
毎日、‘騒音’を撒き散らして、選挙カーが住宅街を駆け抜けていく。
これに苦しむ住民の‘犯罪’が、頻発しているということだ。

「家で食事をしていたが、演説がうるさくて腹が立った」と、自宅の近くで街頭演説中だった、候補者の男性運動員からいきなりマイクをつかみ取って、拡声器を通じて「うるさいんだ」と大声で怒鳴った50歳の会社員が、警察に逮捕された。
選挙演説を妨害した疑いだ。

そうかと思うと、「選挙カーの声がうるさかった」からと言って、演説中の候補者らにバケツの水をかけたアルバイト男性や、選挙運動のビラを配っていた運動員につばを吐きかけた男も、公職選挙法違反の容疑で現行犯で逮捕された。
彼は、「ビラを差し出され、邪魔だった」と述べているというから、とにかくいろいろあるものだ。

選挙の時期になると、毎度のことながら、候補者の名前を大音響で連呼し続ける、あの選挙カーに悩まされる人がいかに多いことか。
「あと少しです。頑張ります!」と絶叫する相手に、「おい、頼むから頑張らんでくれ!頑張らんでいいんだ!」と悪態をついて窓を閉めたという、男の話も聴いた。

選挙カーって、いたってうるさいものなのだ。ほんとうに・・・。
すぐに通り過ぎるので、はて何を言ってるのかと耳を傾けても、容易には理解できない。
言葉が、とにかくよくわからないのだ。
人に聞いても、やっぱりよくわからないという。
それに、あの騒音で、テレビの音などはほとんどかき消されて、迷惑と言えば迷惑な話だ。

いつも夜勤の人たちは、貴重な睡眠時間を妨げられる日が、何日も続く。
そんな選挙運動って必要なのかと、疑問を呈する善良な市民もいる。
今回の衆院選に、市長、市会議員の三つの選挙が予定されているところは、これに各党の候補者が何人も入り乱れて、かなりの騒々しさである。

だから、選挙の時期にイライラがつのる人は多い。
まったくだ。
あの選挙カーの宣伝(?)に、何ほどの効果があるのか。
苦情も多く、腹立たしく思っている人のいかに多いことか。
手を振って、大声で名前を連呼する日本の選挙制度(?!)は、そろそろ改めてもいいのではないか。

あの選挙カーの、借り上げ費や燃料費、運転手代など、みんな公費で支払われる。
過去の選挙では、候補者が実際に使った分以上の金額を水増し請求していたことが、次々と明るみに出て問題となったことがあった。(領収書なしというのもおかしい)
2005年の都議選のときは、過大請求が発覚した60人が、総額352万円を都に返還したそうだ。
同じような不正請求が、全国各地の地方選でも、衆院選や参院選でも繰り返されているらしい。(いまでも?)

テレビで大事なニュースが放送されているときに、選挙カーの演説が邪魔になって、肝心のところがよく聞こえなかったことは幾度もあるし、うるさいなあと思ったことだって数え切れない。
近所の知人が、いみじくもこぼしていた。
「自分の少ない稼ぎの中から払った税金で、しかもいい加減な過剰分まで負担させられているとしたら、やってらんねえや・・・。ふざけんなよ!」

あるテレビのアンケート調査では、「選挙カー廃止」を支持する視聴者は9割近くもいると紹介していた。
選挙のための個人演説会だってある。
政府広報もある。
テレビ、ラジオの政見放送もある。
それで、十分ではないだろうか。
そうすれば、莫大な選挙費用はかけずにすむのではないか。
ビラやチラシだって、ポストに入れられて迷惑だという声もある。
人の迷惑になるばかりか、国民の税金のとんでもないムダ遣いはやめたほうがいい。
いたるところにバラ撒かれている、税金のムダ遣いをなくすだけで、「子ども手当て」の財源ぐらい確保できる。
投票所ごとの看板やポスターも、一考の余地があるだろう。

国民や市民の、政治のための代表を選ぶ「選挙」に、そもそもお金がかかることが、根底からおかしい。
何故、お金のかからない選挙ができないのか。
公職選挙法も結構だが、いつまでたっても、おきまりの日本の選挙制度は、後進国みたいだ。
考え直すべきではないだろうか。