徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

万歳三唱!衆院解散―暑(熱)き決戦へ―

2009-07-22 17:00:00 | 雑感

  ( 7月23日 一部追記 )
本降りになって出て行く雨宿り・・・、とはうまいことを言ったものだ。
とにかく、長かった・・・。
ようやく、衆議院が解散した。
これまで、いくどもその機会はあった。でも、やらなかった。
・・・麻生内閣の支持率は、時すでに15.9%にまで落ち込んでいた。
何が何でも、最後の最後まで「解散は、俺がやるんだ」と言って、周囲の声には一切耳を貸さなかった。
その気迫には、威圧するような凄みさえあったそうだ。
あの与謝野財務相も、結局麻生総理への進言はかなわなかった。
権力にしがみついた人間の執念というものは、いつも狂気と隣り合わせだ・・・。
盟友(?)といえども、手は出せない。どうにも始末におえないということだ。
人は、それを妄執とか妄念と呼ぶこともある・・・。

解散といっても、9月の任期満了間近だから、本来の解散とは少し意味合いが違う解散劇だ。
解散詔書が読み上げられ、一斉に万歳三唱とは・・・。
それは、「マンセー!マンセー!」という北朝鮮の議会の様相にも似て、奇異な光景であった。
解散の時に、何故万歳三唱なのか。
古くからの「出陣式の万歳」といった意味合いの習慣らしく、これをやると、また国会に戻ってこられるというジンクスがあるのだそうだ。
選挙戦に突入していく「気概」を、表しているとも言われる。
由来はとなると、「やけっぱち」「ときの声」「天皇陛下への万歳」などさまざまだ。
専門家筋によれば、どうも根拠は薄弱だ。
国会が解散となって、失職するのに「何が万歳か」という議員もいる。

昔は、天皇陛下の衆議院解散は、天皇の国事行為のために、天皇陛下に対して万歳を唱えたという話もあり、確たる根拠はよく分からない。
衆議院を解散することは、天皇に決められた国事行為のひとつだ。
そう憲法第7条第3号に決められている。

1953年3月に、故吉田茂首相の「バカヤロー解散」というのがあって、今回の解散を、俗称「バカタロー解散」だと呼ぶ政治家だっている。
‘解散’のネーミングも、見るとなかなかの秀作ぞろい(!)である。

いろいろあったが、解散を宣する本会議に先立って開かれた両院銀懇談会は、結局公開で行われた。
その席上で、麻生総理は、「私の願いは、立候補予定者は、全員そろって帰ってきていただくことであります」と、締めくくった。
二度と、同じメンバーが、一堂に会することはないかも知れないとの想いがよぎったのか、涙目になっていた。
政治決戦の初日に、陣頭指揮をとる麻生総理が、反省とお詫びを表明し、反麻生勢力も世論を意識したのか、誰もが口を固く閉ざしていた。
「一致結束」を見せようとする演出か、自民政権の「超逆風」へ打つ手のない戸惑いを感じさせる一幕だった。
解散のときになって、いまさらお詫びと言われても・・・。

解散後に行われた麻生総理の記者会見では、あらかじめ用意されたと思われる質問に、始めから用意された原稿を棒読みするだけだった。
それは、自民党の議員向けで、両院議員懇談会の時とほとんど変わらず、国民に向けたメッセージとは思えぬしろものだった。
ここでも、国民は不在だった。
白々しい、会見であった。
何ですか。こんな会見ってありますか。

時折りしも、山口県で豪雨、土石流が発生し、特別養護老人ホームで死者、行方不明者多数との惨事がニュースで報じられていた。
ああ、無情、無残・・・!
麻生総理は、悲惨な事態を知ってか知らずか、そのことに一言も触れることはなかった!
そういうものですか。
この国の、権力の頂点に立つ宰相の目は、御自分の足元しか見ていない。
いつだってそうだ。
こんなことで、自身が国民に大きな声で約束している「安心社会の実現」は、本当に果たせるというのだろうか。

選挙戦を前にして、この夏自民党の長老、大物議員が続々と引退しそうな気配だ。
連日、30度とか35度とか猛暑の予想される中で、40日を超える選挙戦を戦うのは大変なことだ。
そんな中で、まめに街頭演説に立ち、選挙民と握手をし、集会には顔を出すことは、若手だってこたえる。
老いの身に、こんなつらいことはない。
選挙より、自分の命の方を大切にしたい。そうではないだろうか。
麻生自民党で、命を懸けて頑張ってみたところで、勝ち目はない。
犬死にの可能性の方が大きいとなれば、御身大事ということになり、自民党で70代、80代の議員は27人もおられるというから、引退と聞いても驚かない。
どうか、無理は禁物、撤退が無難です。
くれぐれもご自愛下さい。

衆議院議員の定数は480人、過半数は241人だ。
8月の、真夏の総選挙は107年ぶりだそうだ。
8月30日の投開票日まで40日、長い戦いを制して、第一党に躍り出るのは民主党か、それともまた自民党か。
いよいよ、暑い、熱い戦いが始まった。
・・・漢字の読めない首相と烙印を押され、まさに百年に一度の「未曾有」の危機のなかで、政権を選択する選挙を迎えることとなる・・・。