徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

映画「トワイライト 初恋」―禁断の恋の行方―

2009-04-08 04:00:01 | 映画
ごく普通の主婦である、原作者のステファニー・メイヤーという女性は、瞬く間に、この作品シリーズ累計で4200万部を売りつくすという、大ベストセラー作家になった。
それが全米の女性を熱狂させ、映画のきっかけとなったというのだが・・・。
キャサリン・ハードウィック監督のアメリカ映画だ。
「究極の純愛」というふれこみだが、内容はというと、奇想天外な少女小説の世界だ。
描かれているのは、人間の少女と美しきヴァンパイアの、命がけの恋というわけだ。

奪うために、奪われたい。
死は恐れるに足らない。あなたを失うことが怖い・・・。

ワシントン州フォークスの小さな町に、ベラ・スワン(クリステン・スチュワート)は転校してきた。
転入したフォークスの高校で、不思議な雰囲気を持った、カレン家の面々と出会った。
その中に、美男子エドワード(ロバート・パティンソン)がいた。
ベラの特別な香りに、エドワードは引き寄せられ、その完璧すぎる容姿と甘い言葉にベラはたちまち虜になってしまった。

エドワードの正体が、ヴァンパイアであることを知ったベラを揺り動かしたのは何だったか。
それは、恐怖というより、自分の胸が張り裂けるばかりの恋心だった。
キスさえも命取りになりかねない二人、その二人がやがて激しく惹かれ合うようになっていく。

カレン家は、現代に生きるヴァンパイア一族だった。
彼らは、ほかのヴァンパイアと違い、人間の血を飲まず、獣の血で生きながらえることが出来る。
それに、太陽にあたっても死ぬことのない、人間世界に溶け込んで生活していけるように訓練された、特別な一族だった。

超えてはいけない、人間とヴァンパイアの壁を、どうにもコントロールできない激しい感情が、二人を苦しめる。
エドワードは、ベラが放つ香りに、ヴァンパイア本来の欲求がおさえられなくなるような恐怖を感じ、ベラに惹かれる自分を止めることができない。
エドワードを激しく求めつづけるベラを前に、その葛藤は一段と激しさを増していく・・・。

映画は、原作の魅力を最大限に生かしつつ、スピーディな展開やアクション描写など、随所に様々な工夫が凝らされているが、ストーリーは奇想天外、荒唐無稽である。
それでも女性人気が高いのは、ドラマの内容や、エドワード役のロバート・パティンソンの人気か。
女性観客はロマンスに憧れていて、十代の主人公の心の機微を丁寧に描いているからか。
キャサリン・ハードウィック監督アメリカ映画「トワイライト 初恋は、原作のイメージを忠実に凝縮している点で、あちらでは評価が高いらしい。

ヴァンパイアの一族が登場してきて、野球をしたり、突然人間ではあり得ない怪力や超能力(?)を発揮したりと、もうやたらに奇想天外な世界を見せる。
この辺りは、コメディタッチそのものだ。
いわゆる、恐怖映画のたぐいではない。
転校の日のベラの気まずさ、生物の授業中のやりとり、森に囲まれた草原での愛の告白、エドワードの奏でるピアノ曲・・・、あれやこれやと自分の空想世界とのリンクを堪能できるかも知れない。

映画化は、すでに続編の話まで出ているそうだ。
ベラとエドワードの、薄氷を踏むような慎重なラブシーンに、究極の“じらし”を見せつけて、この作品は大人そっちのけで、多くの女子高校生向き(!)の映画となっている。