徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

写真展「100人の写真家がみたアフリカの一日」

2007-08-30 08:00:00 | 日々彷徨

 世界最大のスケールで鮮やかに記録された、21世紀のアフリカ大陸と銘打った、注目の写真展だ。
 横浜市栄区のアースプラザで開かれている。
 かながわプラザへ立ち寄ったついでに、覗いて見た。

 ピュリツァー賞の受賞者ら、世界26ヵ国100人のプロ写真家が、アフリカの同じ一日を撮った写真展
 「A DAY IN THE LIFE OF AFRICA」で、これがなかなか見ごたえがあった。
 2002年2月28日(限定)に撮影された、総計5万枚以上の作品の中から、一挙に約200点を公開、
 展示している。
 2500万人にも上る、エイズウイルス感染者がいるという、アフリカに目を向けてもらうのが狙いだ。
 これまで、アフリカ全体で1200万人ものエイズ死亡者が記録され、エイズの蔓延で60万人の子
 供たちが孤児になったという。
 
 「慈悲と絶望」と題するタペストリーは、トム・ストッダートという写真家の撮影だが、ザンビアの首都近
 郊にエイズの蔓延したひどく貧しい村があって、その地で、ポーランド人修道女が、末期のエイズ患者
 たちに尊厳と癒しを与えている。
 ホスピスで暮らすエイズ患者の姿などを、ありのままに写しだしている。

 また、アフリカ大陸第二の大河コンゴ川を行く、すし詰め状態の「リバーボート」という乗り物もすごい。
 一見、集団難民かと見間違えるほどで、日常的になんと数千人もの人々や動物、それに雑貨品を積
 み込んで、3週間から4週間という時間をかけて移動を繰り返しているのだ。
 この巨大な船は、まさに浮いている「村」そのものであり、場であり、ショッピングモールなのだ。
 いやぁ、驚きだ・・・。
 ジャングルの町々と、二つの首都、キンシャサとブラザヒルを結ぶ主要ルートだそうだ。
 パトリック・ロバートという写真家の作品である。
 
 悲しみの底で打ちひしがれている人、しかし一方で生き生きと目を輝かせている子供たちも・・・。
 作品は、豊かな文化や自然、明るく暮らす人々に加えて、それぞれが、忘れてはならない、見過ごすこ
 との出来ない、アフリカの「現実」を写し出していて、大変興味深い。
 私たちには、これらの写真を通して、人間、地形、風習など、信じがたいほどの多様性に満ちたアフリ
 カの姿が、改めて見えてくることだろう。

 アフリカが、植民地時代の圧制がもたらした、さまざまな苦難を乗り越えて、抗しがたい公衆衛生問題
 などにあえぎながら、民主主義と民族自決を求めて、世界に発信する貴重なメッセージといえる。
 それらは、或る種の、美しく深い感動をともなって・・・。

 「アフリカの美」をテーマに活動する、東京都在住の写真家五十嵐太二さんは、タンザニアの山々を空
 から撮影していて、これもまた素晴らしい。
 アメリカ在住のジョン・アイザックさんは、チャド共和国の市場でトマトを売る女性を撮った。
 9月30日(日)には、五十嵐さんとアイザックさんの対談も予定されている。
 9月8日(土)には、ジンバブエ・ショナ族の楽器「ムビラ」の演奏で紙芝居が、また9月16日(日)には
 民族楽器のワークショップも紹介される。

                                        平成19年10月8日まで(10:00~18:00)開催中。
                                         JR本郷台徒歩3分 アースプラザ3階で。入場無料。
                                         < 問い合わせ >  TEL 045-896-2899