8月31日(金) 金峰山 金峰山・・・奥秩父の盟主
今日は朝から小雨がぱらつく。雨具をまとい行動食をザックに投げ込み金峰山登山のスタートだ。山一帯は風と霧に被われ視界は悪い。とにかく頂上までと歩き始める。大日岩の下を回り込み、シャクナゲの林を抜け千代ノ吹上に差しかかる。霧と風、時折雨粒が叩きつける。頂上も近いはすなのだが、視界がないものだから見当もつかない。尾根のピークに立つたと思っても、霧の中にまた新たなピークらしき峰が現れる。これが頂上かと登り着くと、まだ先にピークのような尖塔が現れる。山では良くあることなのだが気持ちばかりがせって呼吸が乱れる。花崗岩の大岩を幾つか抜けると、やや開けた平に出て、2599m「金峰山頂上」の標識を見る。晴れた日なら、絶景のパノラマの広がる天上のパラダイスなのだろうが、今日は残念無念この上もない。
金峰山 この地点に頂上標識あり。 写真の岩の上はわからなかった。
写真を撮り、下山。途中、大日岩の大きさと、シャクナゲ林の素晴らしさには改めて驚かされた。
大日小屋のテント場に帰り、濡れたテントをたたむ。もう一度花の季節に来ることができるのだろうかと思いながら山道を下る。
頂上での天気は悪かったが、下山するにしたがって回復方向に向かい駐車場に着いて頃には青空も見え出していた。瑞垣山荘でコーヒー休憩をする。
近くに「木暮理太郎」の碑があるというので行ってみる。それは、金山平にある金山荘の裏山にひっそりと建っていた。胸像というよりレリーフで、小屋のご主人の話では元の位置はもっと上の方にあったとのこと。金峰山をこよなく愛したこの山の先達は、訪れる人もいない白樺の林の中にひっそりと佇んでいた。
第三代 日本山岳会会長 木暮理太郎
(出発時間不明 頂上10:15~テント場12:30~瑞垣山荘前14:30)
ソバの花を横目に、甲信武岳に向かう。
そばはまだ 花でもてなす 山路かな (芭蕉)
広々とした田園風景の中を抜け、毛木平に車を入れる。良く整備された広くて清潔な感じの駐車場に車が数台駐めてあった。 休憩所には、登山の注意やら山の説明やら何かと懇切丁寧な感じがし気持ちが良い。特に、清潔なトイレがあるのはありがたいことだ。
駐車場に駐めてある車の前で男性が一人、用意した小さなテーブルに向かい食事をしておられた。どうも、焼き肉で一杯の様子。私の姿を見ると、自動車ごと駐車場の隅の方へ移動された。今は、あまり人と交わりたくないらしい。遠目にも、一人孤独を楽しんでおられる様子で近寄りがたい。
私も、隅の方に車を駐め、持参のテーブに、ありったけの食料を広げる。まずは今日の一日に乾杯。夏の終わりの夕暮れ時。甲武信岳の麓に静かな時が流れる。
夜半、大型バスが入って来た。甲武信岳へ登る団体さんの到着のようだ。バスの中で朝を迎え、早朝に出発する予定なのだろう。