行く川の流れ

花・鳥・旅行写真日記

ヌルデの樹を巡るいろいろ

2015-10-20 20:00:09 | 花,植物
日本全土の山野に自生し、
アカメガシワと並んで代表的パイオニア樹木であるウルシ科ヌルデ、
幼木は普通に草原にも生え、
木本ですが雑草のように思えます。
しかし、樹木として観察してみると葉の形もおもしろく、
そこそこ美しい花が咲き、
昔から人に役立つ樹であるのです。


望遠レンズで写したヌルデの雌花(9/27)、
近眼の私、メガネをかけても肉眼では
はっきりとはわかりませんでしたが、
こうしてみるとなかなかきれいな花です。
蜜も多いと見え、ハラナガツチバチが3匹ならんで吸蜜していました。


上から3週間後、
同じ樹にできたヌルデの果実です。
熟すると、酸塩味のある白い粉に被われ、
信州ではかつてこの実を塩の代用にしたとのことです。


ヌルデの樹に、
時にはこんな実らしきものを見ることができます。
五倍子(ゴバイシあるいはフシ)と呼ばれる
ヌルデシロアブラムシによる虫こぶです。


この五倍子、タンニンを多く含み、
皮なめしにや黒色染料の原料として
今でも使われる有用品なのです。
樹木の木五倍子(キブシ)や夜叉五倍子(ヤシャブシ)は
これらの果実がタンニンを含み、
五倍子の代用品として使われたところからの名だそうです。


そのヌルデの葉、
羽状複葉でその葉軸に翼(よく)があり、
一度見たら忘れられない姿です。
そして、葉にもぶつぶつとした突起物、
虫こぶが見られます。
紅葉もしているものも多く、見どころが多い樹なのです。


ウルシほどかぶれることはありませんが
ウルシの仲間、
白い樹液を器具などに塗ったのが名の由来といわれています。




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