政府税制調査会は軽減税率に対して極めて消極的な考え方だ。しかし、欧米で行われている軽減税率は、日本が考えている以上に複雑だ。その国の生活状態によって軽減税率の品目が変わるからだ。日本は、どの方式で行くのかは独特の品目が出てくるのは当然のこと。他国と比較すること自体おかしい。生活様式が欧米と全く異なるからだ。それでは一体どのようにすれば多くの国民に納得してもらえるのだろう。
生活必需品は当然なのだが、何を以って生活必需品とするのか。食品の素材でも全てが当て嵌まるわけではないだろう。大根、ニンジン、キャベツ、ホウレンソウ、小松菜、などは何も処理をしないでそのまま売れば軽減税率の対象になることは確かだが、細かく切ってパッケージにして売ればどうなるのか。処理を何処まですれば加工品になるのか。定義付をしっかりとしなければならないかもしれない。
軽減税率をすることで不公平は出てこないか。それは考え方次第だろう。どのように区分したとしても、個人によっては、業界によっては、あるいは事業者によっては不公平感は出てくるかもしれない。どんな決め方をしたとしても全く公平にすることなど不可能だ。公平性を保つことは出来るだけやって欲しいが、それは国が決めること。税金を沢山撮ろうとしている国にとって、出来るだけ軽減税率は少ない品目にしたいだろう。しかし、国民は出来るだけ多い方が良いと望んでいる。
諸外国がやっているやり方が全て公平性があるとも思えない。日本独自の品目の決め方があってもおかしくはない。何の品目を軽減税率にするかは少なくとも日本人の常識を持ってやって欲しい。それは何も2種類ではなく3種類の税率を設定してもいいではないか。事業者が大変だ、というかもしれないが、生活をしていく国民も大変なのだ。どちらを優先して考えるかである。
加工とは何か、という定義も出てきそう。特に食品の場合には問題になりそうだ。「手を加えたら加工だ」と言うが、形を変えただけでもか、混ぜただけでもか、色々ある。素材をそのままにしたらいいが、それ以外は一切ダメ、というのか。味付けをしたら確かに加工かもしれないが。ヨーロッパのある国で、チョコレートを板のままで板切れで包み紙なしで売ったら素材、包装紙に包んだら素材ではない。日本は素材をどのように解釈をするのだろうか。
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