『中国、空母の実戦能力誇示 「遼寧」研究用から進化』という記事を見て、艦載機がまだ完成途上なのに、どのように使うつもりなのか、という疑問が出てきた。航空母艦は艦載機があって初めて生きた使い方が出来るもの。艦載機も未完成なら、その艦載機を操作するためのパイロットも未だ未経験だ。内陸で一所懸命パイロットの養成を行っているというが、実戦部隊に配置されるまでに出来上がっているのだろうか。
中国は次の航空母艦を建造しているという。航空母艦だけが先に出来上がっても艦載機とパイロットがいなければ役に立たない。先般、優秀なパイロットが事故で亡くなったという記事がネットに出ていた。パイロットの養成は簡単ではない。通常の飛行訓練は幾らでもできるが、艦載機は簡単ではない。実際の航空母艦で発着訓練を何回も繰り返し行わなければ航空母艦での発着は出来ない。
滑走路が300メートルほどしかない場所から発信して、またそこに着陸をする。この発着陸訓練は回数を重ねることしか方法はない。勿論、シミュレーションで出来ないことはないが、それだけでは中々難しい。実際の航空母艦の艦上とは異なる。風や波など多くの条件を入れたとしても実際に艦上から発進したり着艦したりするのはシミュレーションではできないことだ。天候との戦いではないか。
中国空軍が一所懸命にやっていてもアメリカ空軍には今のところ勝つことは出来ないだろう。テレビで発着の練習風景を写していたが、まだまだのように見える。ただ、中国が今後航空母艦の建造を増やしていくことで、日本とアメリカにとっては手強くなる。特に西太平洋においては、中国が力を付けてくればより緊張関係が高まることは確かだ。南シナ海における中国の軍事基地がこれからもっと重要性を増すこのになるだろう。
また、沖縄基地も中国の軍事強化に伴って今よりももっと重要になってくる。現在、中国海軍は沖縄列島の間を自由に進むことが出来るが、緊張関係が高まり、危機が迫って切ればこの海域も自由に通行できるとは限らなくなる。中国が航空母艦と同時に潜水艦の建造にも力を付けてきた。中国が原子力潜水艦や原子力空母が建設できるようになると、アメリカ、ロシア、中国が今以上にしのぎを削ることになるだろう。アメリカに次の大統領が軍事強化をうたっていることから、世界情勢は昔の東西冷戦と同じような状況になるかもしれない。