新幹線はどんどん全国各地に延伸されて、「東京」との距離はどんどん縮まっていますが、その一方で、ローカル線や地方の私鉄はどこも苦しい経営状態が続いているようです。
三沢市と十和田市を結ぶ十和田観光電鉄もしかり。先日、ついに今年度末で正式に廃線となることが決定してしまいました。
来年で90周年を迎えようという長い歴史を持つ十和田観光電鉄(十鉄)は、かつてこの地域の大動脈でした。ところが、輸送人員は、1970年度には165万人をピークに減少を続け、2009年度は46万人まで落ち込む。春には「観桜号」、夏には「ビール列車」など、次々と企画列車を走らせる奇策も決定的な増収策にはならず、経営は恒常的な赤字に苦しんでいました。それに追い打ちをかけたのが、昨年12月の東北新幹線全線開業。新幹線の通らない三沢駅の乗降客が急減したことにより、十鉄の利用者数も激減しました。十鉄は、沿線3市町に財政支援を求めていましたが、いずれも拒否されたことで、廃止が決定的となりました。
人口そのものが減少している地方にあって、しかもこれだけ車社会が進展する中で、利用者が減るのは仕方のないことです。東京など都会の私鉄とは全く状況が異なります。考えてみれば、電車を走らせるというのは、都会だろうが田舎だろうが、コストはほとんど変わらないわけで、利用者がいなくては経営が悪化するのは当たり前の話か。
十鉄の利用者の大半を占めるのが、高校生です。廃線後、彼らの通学の足をどうやって確保するか。十和田観光電鉄は電車と並行して走るバス路線も持っているので、バスの便を増やすことで対応できるという。高校生にとってはどうなんだろう?電車がなくなるってのは。本数が増えるならバスでもいいという声もあるだろうし、電車に比べたらバスは時間通りに運行できるとは限らないこと、特に冬は遅れがちとなることに不安を持つ生徒もいるでしょう。そもそも、少なくとも「最大の顧客」である高校生の声が、アンケート調査なりできちんと把握もされていないのはおかしい。
NPO法人「鉄道サポーターズネットワーク」(東京)の清水孝彰理事長は、「赤字や黒字かの話より、まず地域に鉄道が必要かどうか議論すべき」と言っています(2011年9月29日付け東奥日報)。つまり、地域づくり、まちづくりの視点から鉄道の存廃について話し合わなければならないということです。確かに、今回の存廃問題の経緯を見ていると、会社の都合ばかりが先走り、高校生をはじめ、地域住民の声が全く反映されていません。9月末という決定期限も会社の一方的な都合によるものだし、拙速すぎるよなーという印象はぬぐえません。もし仮に、地域の住民が反対運動でも起こして、役所に財政支援をするよう働きかけていたら、とりあえずしばらくは生き残れたのかもしれない…なんて思ったり。あくまでも「とりあえず」ですけどね。
かといって、高校生の思いや住民運動だけで赤字が根本的に解消されるはずもなく、どっちにしろ、やはり廃線は避けられない道だったのかもしれません。これも「時代の流れ」と割り切ってしまうのは悔しいけれど。どこかに、住民の総意で地域の電車を守っている事例ってないものでしょうか。いや、単に電車好きの、第三者の勝手な願いではありますが。
ところで、私にとっての十和田観光電鉄は、東急線払い下げのシルバーメタルの車輛ではなく、やっぱり赤とクリーム色のこっちの電車です。たぶん乗ったのは2~3回しかないのですが、いろいろ思い出もあるんです。
三沢市と十和田市を結ぶ十和田観光電鉄もしかり。先日、ついに今年度末で正式に廃線となることが決定してしまいました。
来年で90周年を迎えようという長い歴史を持つ十和田観光電鉄(十鉄)は、かつてこの地域の大動脈でした。ところが、輸送人員は、1970年度には165万人をピークに減少を続け、2009年度は46万人まで落ち込む。春には「観桜号」、夏には「ビール列車」など、次々と企画列車を走らせる奇策も決定的な増収策にはならず、経営は恒常的な赤字に苦しんでいました。それに追い打ちをかけたのが、昨年12月の東北新幹線全線開業。新幹線の通らない三沢駅の乗降客が急減したことにより、十鉄の利用者数も激減しました。十鉄は、沿線3市町に財政支援を求めていましたが、いずれも拒否されたことで、廃止が決定的となりました。
人口そのものが減少している地方にあって、しかもこれだけ車社会が進展する中で、利用者が減るのは仕方のないことです。東京など都会の私鉄とは全く状況が異なります。考えてみれば、電車を走らせるというのは、都会だろうが田舎だろうが、コストはほとんど変わらないわけで、利用者がいなくては経営が悪化するのは当たり前の話か。
十鉄の利用者の大半を占めるのが、高校生です。廃線後、彼らの通学の足をどうやって確保するか。十和田観光電鉄は電車と並行して走るバス路線も持っているので、バスの便を増やすことで対応できるという。高校生にとってはどうなんだろう?電車がなくなるってのは。本数が増えるならバスでもいいという声もあるだろうし、電車に比べたらバスは時間通りに運行できるとは限らないこと、特に冬は遅れがちとなることに不安を持つ生徒もいるでしょう。そもそも、少なくとも「最大の顧客」である高校生の声が、アンケート調査なりできちんと把握もされていないのはおかしい。
NPO法人「鉄道サポーターズネットワーク」(東京)の清水孝彰理事長は、「赤字や黒字かの話より、まず地域に鉄道が必要かどうか議論すべき」と言っています(2011年9月29日付け東奥日報)。つまり、地域づくり、まちづくりの視点から鉄道の存廃について話し合わなければならないということです。確かに、今回の存廃問題の経緯を見ていると、会社の都合ばかりが先走り、高校生をはじめ、地域住民の声が全く反映されていません。9月末という決定期限も会社の一方的な都合によるものだし、拙速すぎるよなーという印象はぬぐえません。もし仮に、地域の住民が反対運動でも起こして、役所に財政支援をするよう働きかけていたら、とりあえずしばらくは生き残れたのかもしれない…なんて思ったり。あくまでも「とりあえず」ですけどね。
かといって、高校生の思いや住民運動だけで赤字が根本的に解消されるはずもなく、どっちにしろ、やはり廃線は避けられない道だったのかもしれません。これも「時代の流れ」と割り切ってしまうのは悔しいけれど。どこかに、住民の総意で地域の電車を守っている事例ってないものでしょうか。いや、単に電車好きの、第三者の勝手な願いではありますが。
ところで、私にとっての十和田観光電鉄は、東急線払い下げのシルバーメタルの車輛ではなく、やっぱり赤とクリーム色のこっちの電車です。たぶん乗ったのは2~3回しかないのですが、いろいろ思い出もあるんです。
お久しぶりです。
古里駅。ありますね、そんな駅。私は、ナントカ高校前、とかいう響きが好きです。自分の学校の名前がついた駅があるなんて、いいじゃないですか。それもなくなってしまうのですね。
青森のおもろさがまた一つ減りました。
私も、五戸町立図書館でやっていた南部鉄道の写真展、見に行きました。http://blog.goo.ne.jp/yappi27/e/dec42fd35cd6fb196a3f4014b8a3670b
南部鉄道もとっくになくなってしまっていますが、十鉄も記憶の中に残っていくのでしょうね。