カクレマショウ

やっぴBLOG

マン盆栽#17 2007年夏 モンゴルの草原にて

2007-08-30 | └マン盆栽
「日本のスモウって、こんなふうに丸の中でやるらしいぜ。」
「知ってるよ、ドヒョウって言うんだろ? ドヒョウにはカネが落ちてるらしいね。」
「え、どこどこ?」
「…そういうことじゃなくって、スモウでがんばればいくらでも稼げるってことさ。」
「あ、そうか。ドルゴルスレン・ダグワドルジもずいぶん稼いだんだろうなあ。」
「朝青龍か。そりゃそうさ、彼はヨコヅナ、つまりスモウチャンピオンだからね。」
「けど、今回モンゴルに帰ってきたのも、ずいぶんいじめられたからだって聞いたぜ。」
「帰ってきた時のあの憔悴した表情見たか? チャンピオンとは思えないしけた顔してたよな。」
「やっぱり日本人って、意地悪なのかもな。あんな狭い国に住んでるし。」
「いや、とりあえず、国の広さはと心の広さは関係ないだろ? だけど、彼のおかげで、日本人のモンゴル人に対するイメージも悪くなったのかもしれないな。」
「てゆーか、あいつはモンゴルでサッカーしてただけだろ? 何でそんなにたたかれなきゃいけないんだろ。日本のスモウの世界はすいぶん厳しいらしいけど、スモウレスラーは、サッカーしちゃいけないっていう決まりでもあるのかい?」
「サッカーはいいけど、怪我したとか何とか、ウソついたのがばれたらしいよ。」
「ウソは良くないね。」
「そう、ウソは良くない。」
「彼はまた日本に戻ってヨコヅナやっていけんのかな…?」
「さあ、それはどうだろう。日本人は悪いことしたという事実よりも、悪いことしたあとの態度を見てるからね。彼がきちんと頭を下げていれば、そもそもこんな問題にはならなかったかもしれない。」
「しかも、ヨコヅナってのは、強いだけじゃだめで、心や態度もちゃんとしてなきゃいけないんだろ?」
「そう。良く知ってるな。“心技体”といってな。もちろん、すべてのヨコヅナが“心技体”そろっていたわけじゃないけど、朝青龍は、これまでも眉をひそめるような態度が多かったらしいしね。」
「スモウってのは、日本の国技だろ? やっぱりモンゴル人みたいに日本人じゃないヤツがヨコヅナになるのは日本人として許せないって気持ちもどこかにあったんじゃない?」
「そこまで日本人の心が狭いとは思わないけど、とにかく、朝青龍がまだドヒョウに立つためには、“反省の心”を見せないと無理だろうね。」
「なんだかメンドくさいね。いっそもう日本には戻らないでモンゴルで生きてったらいいんじゃないかい。」
「その可能性もあるだろうけど、その前に、日本にもたくさん朝青龍のファンがいるってことを、もう一度思い出してもらいたいな。」
「朝青龍のドヒョウにはまだまだカネも落ちてるだろうしね。…あ、100円玉!」
「え? どこどこ?」
「ええ~い!」(と朝青龍ばりの下手投げ)
「オイオイ、ずるい手はナシにしようぜ!」



 

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