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カクレマショウ

やっぴBLOG

静かなパイオニア

2006-06-01 | ■青森県
「青森のちから発見─人の財(たから)を育む─」というテーマで行われた地域政策トップフォーラムに参加してきました。

前半の日下公人氏の講演はちょっと期待はずれでしたが、後半のパネルディスカッション「元気青森人の創造~未来の青森を拓く人づくり~」はいろいろ収穫がありました。

パネリストの一人、宮城大学国際センターのあん・まくどなるど氏が話してくださった「環境歴史学」のこと。環境歴史学って初めて耳にしました。帰ってからネットで調べてみると、「歴史」とは通常「人間」の活動が紡いできたものを指すが、その人間の生活に大きな影響を及ぼしてきた自然環境の変容を意識しながら歴史を読み解こうとする学問、ということらしい。(…で、いいのかな?)。必ずしも「自然環境」だけでなく、疫病の流行や平安京の排泄臭・屍臭といったことも環境歴史学の研究の範疇に入るようです。

まくどなるど氏はカナダ生まれ。日本に住みつき、エコツーリズムの研究や農漁村のフィールドワークを積み重ねている方です。江戸時代に行われていた津軽藩の森林再生(ヒバ林か?)の方法が、環境歴史学で林業のモデルケースとして注目されているという例を出しながら、青森県には先人たちのそういった事例がたくさんあるはずなので、ここ100年くらいの歴史をもう一度振り返ってみることが大切ではないかとおっしゃいました。そうすることで、「時代と共に歩む」だけでなく、「時代を先駆けて歩く」ためのヒントが得られるのではないか…。

ただ、先駆けて歩くといっても、わーっと騒がしく歩くのではなく、「静かなパイオニア」として歩くのが青森県らしさかもしれないと彼女は言います。それだけの「底力」が青森にはあると。

いつも青森県人はアピールが下手だと言われます。パネリストのお一人がかつて週刊誌で青森県の県民性を「薄気味悪い強情さ」と評していたことを紹介してくださいましたが、確かにそんなイメージがあるのもうなずけるところがあります。

でも、騒がず静かにアピールすることもあってもいい。「元気青森人」というけれど、「元気」とはいったいどんな状態なのか、どんなふうに「元気」であればいいのかということも、いろんな方の話を聞きながら、もう一度考え直してみたいと思いました。

今だからこそ、歴史を振り返ることが重要であるという主張には、勇気づけられます。しかも、「人間」だけの歴史ではなく、私たちを取り巻く「環境」からのアプローチという視点をもった歴史の考察。少し勉強してみようかと思います。


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