「働く」という言葉から連想するのはどんな言葉でしょうか?
仕事、ビジネス、労働、職業…。
「労働」、「仕事」、「職業」は、厳密に区別してとらえる必要がありそうです。NPO法人キャリア文化研究所理事長で、キャリア教育の第一人者である梅澤正氏の著作を参考に、整理してみました。
「労働」
労働とは、ただ何かをなすという人間の行為であり、ときに「いやいやながらやむをえずする行動」と梅澤氏は言っています。確かに「単純労働」とか「強制労働」というマイナスイメージの言葉がありますね。生産や生活のための手段というだけでなく、場合によっては「労働のための労働」も存在します。ちなみに「労働」は英語で"labor"です。最近よく聞く言葉に「コラボレーション」がありますが、"collaborate"(コラボレート)とは、"co-labor"つまり「共同して働く」という意味なのですね。
「仕事」
「事」に「仕」えると書いて「仕事」。「事」とは、「社会の中の役割分担としての使命」という意味。自分の生活はもちろんですが、それだけでなく、社会的に役に立つこと、いわば「意味ある労働」が「仕事」と言えます。当然、「仕事」は主体的で意識的な行動となります。また、「仕事」には、「早くその仕事片付けて」とか「今日仕事したくなーい」という使われ方に見られるように、(目の前にある)「何かを作り出したり成し遂げるための行動」という狭い意味もあります。
「職業」
広義の「仕事」には様々なスタイルがありますが、大別すると、「お金をもらう(もらえる)仕事」と「もらわない(もらえない)仕事」に分けられるでしょう。恒常的、定期的にお金をもらえる仕事が「職業」です。むずかしく言うと、「経済的報酬をともなう人間の営為」。「職業」も(広義の)「仕事」に含まれますから、もちろん「社会の期待に応えつつ、社会とのつながりをつけてくれるもの」となります。
「学生を終えたら、人間は基本的に自立して働かなくてはいけないんです。」(梅澤正氏)。その基本が今崩れつつある今、その原因を考えた時、やはり「仕事」に対する意識の変化が大きいような気がします。
職業を選ぶ時にも、「社会の一員として職業を通じて社会の発展に寄与すること、そしてそのことが社会を存続させていく上で大切なのだという『職業の社会性』」を考えることが大切です。しかし、根本的な問題は、職業選択以前にあるのではないでしょうか。つまり、「職業人」としてより、「仕事人」として自分が社会に占める位置をきちんと認識できないことに原因があるのではないでしょうか。つまり、社会的な役割分担の中で自分が主体的になすべき「仕事」は何なのか、社会に有用で役に立つことは何なのか、そのために自分の個性や才能をどんなふうに生かせばいいのか、そういうことをきちんと考えさせる教育(=キャリア教育)が必要なのです。
『13歳のハローワーク』を書いた村上龍氏も言っています。「13歳で好きなことがないのは当たり前。でも20歳過ぎてやりたいことがないのは大問題」。「やりたいことがない」というのは、社会の中で自分の位置がわからないということにもなるでしょうか。
「よい仕事」ができることは、「よい生き方」にもつながります。人生の中で「仕事」を社会的使命としてどのように位置づけるか。もっとも、そんなことは自分でもあまり考えたことはないのですが、大人なら必ず一度は考えてみなければいけないことなのかもしれません。
仕事、ビジネス、労働、職業…。
「労働」、「仕事」、「職業」は、厳密に区別してとらえる必要がありそうです。NPO法人キャリア文化研究所理事長で、キャリア教育の第一人者である梅澤正氏の著作を参考に、整理してみました。
「労働」
労働とは、ただ何かをなすという人間の行為であり、ときに「いやいやながらやむをえずする行動」と梅澤氏は言っています。確かに「単純労働」とか「強制労働」というマイナスイメージの言葉がありますね。生産や生活のための手段というだけでなく、場合によっては「労働のための労働」も存在します。ちなみに「労働」は英語で"labor"です。最近よく聞く言葉に「コラボレーション」がありますが、"collaborate"(コラボレート)とは、"co-labor"つまり「共同して働く」という意味なのですね。
「仕事」
「事」に「仕」えると書いて「仕事」。「事」とは、「社会の中の役割分担としての使命」という意味。自分の生活はもちろんですが、それだけでなく、社会的に役に立つこと、いわば「意味ある労働」が「仕事」と言えます。当然、「仕事」は主体的で意識的な行動となります。また、「仕事」には、「早くその仕事片付けて」とか「今日仕事したくなーい」という使われ方に見られるように、(目の前にある)「何かを作り出したり成し遂げるための行動」という狭い意味もあります。
「職業」
広義の「仕事」には様々なスタイルがありますが、大別すると、「お金をもらう(もらえる)仕事」と「もらわない(もらえない)仕事」に分けられるでしょう。恒常的、定期的にお金をもらえる仕事が「職業」です。むずかしく言うと、「経済的報酬をともなう人間の営為」。「職業」も(広義の)「仕事」に含まれますから、もちろん「社会の期待に応えつつ、社会とのつながりをつけてくれるもの」となります。
「学生を終えたら、人間は基本的に自立して働かなくてはいけないんです。」(梅澤正氏)。その基本が今崩れつつある今、その原因を考えた時、やはり「仕事」に対する意識の変化が大きいような気がします。
職業を選ぶ時にも、「社会の一員として職業を通じて社会の発展に寄与すること、そしてそのことが社会を存続させていく上で大切なのだという『職業の社会性』」を考えることが大切です。しかし、根本的な問題は、職業選択以前にあるのではないでしょうか。つまり、「職業人」としてより、「仕事人」として自分が社会に占める位置をきちんと認識できないことに原因があるのではないでしょうか。つまり、社会的な役割分担の中で自分が主体的になすべき「仕事」は何なのか、社会に有用で役に立つことは何なのか、そのために自分の個性や才能をどんなふうに生かせばいいのか、そういうことをきちんと考えさせる教育(=キャリア教育)が必要なのです。
『13歳のハローワーク』を書いた村上龍氏も言っています。「13歳で好きなことがないのは当たり前。でも20歳過ぎてやりたいことがないのは大問題」。「やりたいことがない」というのは、社会の中で自分の位置がわからないということにもなるでしょうか。
「よい仕事」ができることは、「よい生き方」にもつながります。人生の中で「仕事」を社会的使命としてどのように位置づけるか。もっとも、そんなことは自分でもあまり考えたことはないのですが、大人なら必ず一度は考えてみなければいけないことなのかもしれません。
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