このところミネラル不足とアトピー性皮膚炎を関連づける意見をネット上で沢山みます。それも全ては「バランスの崩れた食事」が原因であるから、これこれを飲みなさい、あるいは食べなさい、というものです。
確かにこれらの意見にはそれなりの根拠となるデータがあるのですが、私は少し異なった意見を持っています。摂取するものはもちろん大事です。しかし、それ以上に現代特有の問題点として清潔すぎる環境があるのではないかと考えています。もちろん清潔であることは重要なことです。今の時期、私も食中毒等を避けるためとても気をつけています。しかし、それが皮肉にも人間の免疫系に不全をもたらしているのではないかと思います。
これはほとんど雑談の域を出ない話しなのですが、ミネラルやビタミンの代謝に腸内細菌が重要な役割を果たしているということをもっと意識するべきなのではないか、と考えています。この世は微生物に満ち満ちており、全ての高等生物はそれらの微生物と共生しています。このことをもっと現代に生きる私たちは意識するべきだと思うのです。流通の問題があって、清潔、微生物対策は大変進歩しました。それは病原性微生物に対抗するため現代生活では必須のものです。しかし、それが私たち高等生物と微生物との共生関係を断ち切っているのも事実です。
ではどうするかなのですが、とりあえずまずは腸内細菌のフローラを養うことに気を遣うのが今できる最前のことかと思います。たとえばリーマンさんお薦めの○クルトやパン楽を摂取することです。どちらも生きた乳酸菌を腸に届けることを目的に作られた製品です。ですがそれらの菌はいくら摂取しても住み着かないようです。それぞれの個体は固有の腸内フローラを持っているようで、外から入ってきた菌は一時的に増殖したとしてもいずれは淘汰されることがわかっています。ではなぜ摂取することが重要なのか? 上記の菌は腸内のpHなどを、いわゆる正常な腸内細菌フローラに適するように整える役割を果たすためのようです。病原性のある菌は腸内環境の悪化により正常な腸内細菌が減少したために増殖しているからです。
正常な腸内細菌はビタミンB群の産生、ミネラル分の代謝に重要な役割を持っています。小食について議論があったときに、ほとんど冗談のように書いた窒素固定菌ですが、実際にパプアニューギニアに暮らす方々の腸内細菌には窒素固定をする細菌がいるという報告があるようです。どこぞのテレビ番組でも取り上げられたそうですが、われわれにもそのような腸内細菌は少量ながら存在しているようです。ですから蛋白が極端に少ない食事環境ではそれらの細菌が増殖して、アミノ酸の補給をしてくれる可能性があるようです。とはいえ、あまりの低タンパク食はクワシオーカーという病気を起こしますから危険だと思います。
ともあれ適当なミネラルの補給と腸内細菌フローラの育成に心がけ、御先祖さま方から預かった今生の身体を養生していきたいと思います。