さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

ウィーン・フィル、ニューイヤー・コンサート2021を観て

2021-01-03 22:26:07 | 映画・番組等、各種鑑賞録

今年のニューイヤーコンサートは無観客で行われた。ただ前半、後半、そしてアンコール後の拍手だけは、世界中の事前に登録された人達のオンライン拍手というものが導入された。そのオンライン拍手・・・たとえホールに観客がいなくても、ウィーンフィルの音楽が世界とリアルタイムでつながっていることを感じさせるものだった。

指揮は巨匠リッカルド・ムーティ。今年80歳を迎えられると聞くが、とてもお元気で、立ち姿もダンディである。

演目は、

1.ファティニッツァ行進曲★(スッペ)
2.ワルツ「音波」作品148★(ヨハン・シュトラウス2世)
3.「ニコ殿下のポルカ」作品228(ヨハン・シュトラウス2世)
4.ポルカ・シュネル「憂いもなく」作品271(ヨーゼフ・シュトラウス)
5.ワルツ「坑夫ランプ」★(ツェラー)
6.ギャロップ「贅沢三昧」★(ミレッカー)
7.喜歌劇「詩人と農夫」序曲(スッペ)
8.ワルツ「バーデン娘」作品257★(コムザーク)
9.「マルゲリータ・ポルカ」作品244★(ヨーゼフ・シュトラウス)
10.「ヴェネツィア人のギャロップ」作品74★(ヨハン・シュトラウス1世)
11.ワルツ「春の声」作品410(ヨハン・シュトラウス2世)
12.ポルカ・フランセーズ「クラップフェンの森で」作品336(ヨハン・シュトラウス2世)
13.「新メロディ・カドリーユ」作品254(ヨハン・シュトラウス2世)
14.皇帝円舞曲作品437(ヨハン・シュトラウス2世)
15.ポルカ・シュネル「恋と踊りに夢中」作品393(ヨハン・シュトラウス2世)

プラス、恒例の美しく青きドナウとラデッキー行進曲である。

無観客のホールによく響き渡る、素晴らしい演奏会だった。

特に印象的だったのが、ヨーゼフ・シュトラウスのポルカ・シュネル「憂いもなく」だ。この曲はヨーゼフが死の一年前、体調のすぐれない中、つまり「憂いがないわけがない」状態の中で、書いた作品で、演奏中に楽団員による笑い声が入る。

ヨーゼフはその後も苦労し、一年後にコンサート中の指揮台の上で倒れ、その後も体調を回復させることなく亡くなった。

シュトラウス一家の作品は、明るくてノリも軽いが、家庭内は父子の確執でドロドロ。皆、過労気味で体調を崩すことが多く、当時のウィーンもけっして平和ではなかった。美しく青きドナウが作曲された前年の1866年には普墺戦争があり、わずか7週間でプロイセン王国との戦いに敗れたことによって、当時オーストリア帝国の人々はみな意気消沈していた。そういうオーストリアの人たちを元気づける合唱曲として、この曲は書かれたのであった。

大変な時期に、大変な状態なのに、人々を元気づけ、楽しませるために、身を削って作曲し続けたシュトラウス一家。

彼らの精神は、このコロナ禍でも演奏されることによって生き続けているんだなぁと、感慨深く拝聴した次第である。

※あと、女性団員が増えたなぁという気がした。ウィーンフィルは女性の登用が少ないことで有名だったから、ようやく・・・という感じがした。まだまだ女性は少ないけど、みんな恐ろしく美人。ちなみに団員は朝出勤するたびに毎日PCR検査を受けたという。そのおかげか、弦楽器は2人で一つの楽譜を見る普通のフォーメーション。ステージが狭いので、ディスタンスを取ることが出来ずに密状態で弾いていた。

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