私は東京の墨田区に住んでいる。外に出ていた私が家に戻ったのは４時半過ぎである。街中のおばさんたちが、何やら慌てた感じで、家に帰ろうとしていた。「話は次にしましょう。とりあえず、私は急いで帰るわ。」とそのおばさんは相手のおばさんに話をしていた。「傘をもっていないの。」とその相手のおばさんは話しかけたが、その時には、当のおばさんは自転車に乗って、走り去った後だった。まだ、雨は降っていない。私は空を見上げた。確かに、暗い雲で覆われていた。降りそうなことは確かだが、まだ、雨は降っていない。私も急いで、家路についた。途中、ぽつぽつと雨が落ちてきた。「これは降るな。」私の足は自然に、早くなった。あのおばさんたちの勘の良さに驚いた。ドアを開けて、家に入ったとたん、雨が本悪的に降り始めた。降り始めたら、その勢いが強くなった。６時を回ったころには、私の家の窓から、外が見えなくなった。雨音が尋常でなくなった。この墨田区周辺では１時間に１００ミリの猛烈な雨が降ったという。ＪＲ小岩駅では構内に水があふれ出したという。雨の中を戻ってきた妻は道路が川のようになっていると悲鳴をあげた。
