人間は歳を重ねると、誰でも、物忘れはひどくなる。ちょとしたことが思い出せないのである。昔、心をときめかした女優の名前が思い出せないときなどは、我ながら、悔しくなる。さて、アルツハイマー病を始め多くの病から発症する認知症には、根治薬がなくケアのあり方が焦点になっている。昨年6月の厚労省の発表によれば、2012年時点で462万人に上るそうだ。それに、予備軍的な軽度認知障害者を加えると800万人にも上るそうだ。だから、私も、この軽度認知障害者かもしれないのである。老人の4人に1人だから、大変な数である。治療方法だが「病院モデル」と「生活モデル」があって、欧米では「生活モデル」型が一般的らしい。日本では、介護や住居、医療などの地域支援が不十分なので、どうしても、その分、家族への負担が重くなるので、いわゆる「病院モデル」に頼らざるを得ない。そして、これは、認知症だけの話ではない。孤独な老人が増えて、この傾向はますます強まっているのである。