今年に入り香港市場でオフショア人民元建ての債券(点心債)の発行が急増している。高い利回りを求める中国本土の投資家が多いことや、海外投資家が人民元へのエクスポージャーを必要としていることが背景にある。オフショア人民元債とオンショア債とのちがいだが、金利でいえばオンショア人民元建て国債5年物の利回りが2.7%の水準にあるのに対し、オフショア人民元建て国債5年物の利回りは3%前後となっている。おおよそ0.5ポイント上乗せされている。だが、それ以上に重要なのは、オンショア債には色々な規制がかけられるのに比して、オフショア債は比較的に自由に取引ができる点にある。だが、中国では銀行経営の悪化で、従来なかった不動産ローンの債権化が進んでいるという。しかも、それだけでは必要な利回りが確保できないので、他の高利回り商品との抱き合わせ債権である。さて、どこかで聞いたことがあるではないか。アメリカのサブプライムローンとそっくりではないか。そのような商品がオフショア市場に流れてきて、内容の分からぬ海外投資家が騙されることがないようにしたいものだ。(くちなし亭、2023.03.05)
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