「金を払うから原油を引き取ってくれ。」という驚くようなニュースが飛び込んできた。20日のニューヨーク原油先物相場が暴落し、WTIの5月渡しの価格が史上初めてマイナスに転じ、一時1バレル=マイナス40・32ドルを記録したという。アメリカで感染症対策の外出制限措置が広がり、航空機や自動車などの利用機会が激減し、余った原油をためる貯蔵施設が満杯となった。誰も引き取る場所が無くなった。こうして買い手がつかない状態となり、5月渡しの取引期限が21日に迫る中で、売りが加速したもようだ。この状況を最も端的に表しているのがアメリカのトランプ大統領の発言だ。トランプ大統領はアメリカの石油産業を守るために、サウジからの原油輸入の禁止や余っている貯蔵施設の開放に言及している。石油関係者は語る。「世界中でほぼ誰も車を運転しておらず、工場が閉鎖され、企業が活動を停止しているのだ。今回の問題の起こる前まで、エネルギー、特に原油の供給は高水準だった。そうした状況下で突然、40、50%の市場が失われたのだ。」(くちなし亭、2020.04.21)
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