どういう表現が適当かどうかは分からないが、いわゆる強国というものが変遷してきているように思う。昔、帝国の変遷という本が多くの人の注目を集めたとおもうのだが、産業革命の頃、イギリスに始まった工業は安価な工業製品を大量に作り、世界に売りさばくことで、自身の強大化を成し遂げた。アメリカの強国への道も、初期はイギリスと同じ工程をたどりながら、やがて、金融とIT にその源泉を変えていった。工業製品を作ることが強国であった時代はいつの間にか、消えていった。企業が世界の各地に展開し、各地で、ものつくりが行われているからである。その地で生産が行われれば、自然と技術移転も進む。金融も限られた投資家の手に収れんされていけば、税金などからのがれるために、世界に転戦を繰り返す。ITはどうだろうか、IT こそ、その特許権はともかく、その成果は世界中に拡散する。ならば、強国とは何だろうか。つまり、結局のところ、ものつくりも、金融も、IT も、あるいはこれから生まれてくるものも、すべてが調和がとれている国なのだろう。アラビアのいくつかの王国がその石油資源で、金融を操り、莫大な利益を上げたとしても、その国を強国とは呼べないのである。
Y-FP Office Japan
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