一昨年、昨年と世界はインフレと戦う年であった。世界の中銀はインフレ対策として、政策金利を上げた。日銀も黒田前総裁が掲げた異次元緩和の政策からの離脱を志向し始めている。しかし、それらの利上げは景気を押し下げる。景気に対して中立的とされる自然利子率を上回っているからだ。FRBは今年、政策金利の利下げをするといわれている。だが、その利下げは1.5ポイントほどである。まだまだ高い。今年、世界は高金利時代に耐えなければならないのである。このような時代には企業は積極的な投資活動に向かわない。人も家や車を積極的に買おうとは思わない。消費が伸びないのである。リスクを回避して、貯蓄に金を回す。それでも、資産は増えるのである。日銀のゼロ金利政策からの脱却は春ころと言われている。日銀の正常化への一歩だが、一方で国債金利も上昇する。それは国の財政を圧迫する。財政出動の余裕もなくなるのである。(くちなし亭、2024.01.08)
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