5日、中国のシャドーバンキング(影の銀行)大手、中植企業集団が破産申請を行った。同社はバランスシート上で364億ドル(約5兆3000億円)の資金不足に陥っている。競合する信託会社がここ数年リスクを縮小する中でも、中植とその関連会社、特に中融国際信託は経営難に陥った不動産開発会社への融資を拡大し、中国恒大集団などの企業から資産を買い取っていた。不動産不況の続く中国で、昨年末には大手不動産デベロッパー中国恒大集団の破産処理が延期され、今月末に再度審議される予定になっている。このように、中国では政府の意向により、巨大な負債を抱え、デフオルトに陥った企業でも、破産が施行されないことが続いている。破産処理されないことで、銀行などで大量の不良債権化が表面化することを避けてきたのである。しかし、それも限界になってきたのかもしれない。中植企業集団の破産を認めたのである。中植企業集団の債権を買っていたのは共産党の幹部にも多くいたという。つまり、破産を覚悟し始めたということだろう。中国の経済悪化がこれから雪崩を打って始まる予兆である。最初は今月末の中国恒大集団の破産処理である。負債額は中植企業集団よりも一桁多い。(くちなし亭、2024.01.07)
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