経済危機に直面しているスリランカでは首都コロンボの沖合に停泊しているロシアタンカーからの荷揚げができない状態が続いていた。荷揚げしてもスリランカからの支払いが行われるかどうか分からなかったからである。スリランカのウィジェセケラ電力・エネルギー相は28日、コロンボの港に数週間とどまっていた9万トンのロシア産石油を購入するため7260万ドルを支払うと発表した。ロシアとの交渉がまとまったのであろう。今回の石油がどのようなものか分からないので、正確でないかもしれないが、スリランカ政府がロシアに支払う代金は1バーレル当たり34ドルである。世界市場では原油の値段は高騰していて、1バーレル当たり110ドルを超えている。スリランカ政府も、ロシアの石油会社もどちらも困窮している中での取引で、スリランカは世界市場の約3割での値段で石油を獲得することになったようだ。石油がなく、困窮している国は他にもある。中東のレバノンである。火力発電所の備蓄燃料が底をつき、ベイルートは暗闇の世界になっているという。電気が止まれば水道も出ない。このような国にはロシア産の安い石油がお得である。(くちなし亭、2022.05.30)
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