アメリカのバイデン大統領が22日に訪韓した。共同声明は本来なら、対中であるべきなのだが、表面的にはできない事情で、対北朝鮮という形をとっている。通常なら、弱体化した北朝鮮である。ある意味、北朝鮮軍が韓国に攻め入る力はないのだが、ウクライナ戦争が勃発して、そうとも言えなくなってきているようである。北朝鮮の兵士の数は120万人とも言われている。まあ、人口も2500万人と豪語しているが、実際のところは1800万人規模とみなされているので、本当のところはそれよりも少ない。ただ、少ないと言われても、ロシア陸軍の兵士の数よりも多いので、強い、弱いはともかく軍事国家なのである。その北朝鮮が誇れるのはロシアゆずりのミサイルである。それに核を積めば一定の抑止力にはなる。そんな北朝鮮に食指を伸ばしたのがロシアである。ウクライナ戦争で、自前のミサイルが枯渇し始めたロシアは中国と北朝鮮にショイグ国防相を派遣して、両国にあるロシア由来のミサイルの提供を要請したという。そして、中国には断られたのだが、北朝鮮からは良い返事を得たのである。これからは北朝鮮製のミサイルがウクライナに運ばれ、ロシア産原油が北朝鮮に入ってくることになる。もはやロシアは背に腹は代えられない。国連決議など無視することになるのである。日本にとって幸いなことは、北朝鮮がコロナのまん延で、外に向かって強気に出る状態ではないことである。（くちなし亭、2022.05.22）
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