ミャンマー国軍も本当にバカなクーデターを起こしたものだ。国軍にとっても、国民にとっても、民主派の人たちにとっても、新しいミャンマーに期待して進出してきた海外のメーカーにとっても、新興の工業地帯へとミャンマーの各地から集まってきた人々にとっても、誰も得をしないクーデターではなかったのか。こんな記事があった。ヤンゴン北部のラインタヤ地区。そこは中国資本の縫製工場などが集まっていた地域である。農村で働くよりも工場で働いた方が給料は良い。中国で、農村から都会へと出稼ぎ労働者が集まってきたように、ミャンマーでも、農村から都会へと職を求めて、人々が動き出していた。その中には不法な住居に住み着いた労働者も少なくなかった。新しい小さな町ができていたのである。平穏な日常が始まってきたからである。だが、そこにクーデターが起こり、社会の混乱が始まった。中国資本の工場などは民主派のデモ隊によって放火され、見る影も無くなった。国軍は一帯を封鎖し、人々の移動が自由にできなくなった。不法な住居に住みついた人たちは立ち退かせられた。それでも人々は明日の糧を求めて、職を捜しているという。応募のうわさを聞けば、手書きの履歴書をもって列を作るという。（くちなし亭、2022.01.30）
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