海外旅行に出かける日本人にとって、外国の慣習との大きな違いの一つに、チップと言う制度がある。国によっては、従業員には給料がなく、チップが全収入と言うところもあるので、この習慣を無視することは出来ないのである。日本人の感覚としては従業員は会社から正当な賃金が支給されて、チップは取らない。チップを取らないのだからホテル代や料理代金にチップ分が上乗せされていてもかまわにと思う感覚だが、一度定着されたシステムと言うものはなかなか変えることは難しい。ところで、チップ制がある国は予想以上に多い。アメリカ、イギリス、ドイツと言った西欧諸国は軒並みチップ制である。アジアでも、インドやインドネシアと言う国もチップ制で、南アメリカのブラジルもアフリカのエジプトもチップ制である。つまり日本人が海外旅行先に選ぶ世界中のほとんど国がチップ制なのである。こうなると我々日本人にとって、最初からチップは幾らかと決めておいてほしいと思うのだが、チップの性格上、そうならない。サービスの良かった人に多く。悪かった人のは少なくというボーナス的な意味合いも高いからである。まことに面倒くさいのである。慣習だから、慣習になれている人にはなんでもないことが慣れていない人にはとても煩雑な作業となる。まあ、目安としては15%程度に相当する紙幣で支払うらしいのだが、ホテルを出る時間のない中で、計算機を片手に、チップは幾らかと奮闘した経験がある。もちろん、現在はもうちょっとスマートになっていることとは間違いないだろう。(2018.10.01)