フランスの俳優、アラン・ドロンは2017年5月9日、今後出演する1本ずつの映画と舞台を最後に、引退するとし、「キャリアは終わった。」と表明した。もちろん、キャリアは終わっても、アラン・ドロンの人生は続くのである。一般的なサラリーマン諸氏が定年を迎えて、退職した時、通常であれば、このアラン・ドロンと同じように、「キャリアは終わった。」と叫ぶのかもしれない。しかし、多くの定年退職後のサラリーマン諸氏はアラン・ドロンのように、すっきりした気持ちで、「キャリアは終わった。」とは言えない。アラン・ドロン氏のように、悠々自適な生活が待っているわけではないからである。これはお金のこともあるが、精神的な有意義な生活を送れるかどうかと言う意味もある。家の粗大ごみ化してしまうのでは、人生の意味も終わってしまうのである。俳優の仲代達也さんは言う。「私はどうでしょう――。キャリアが終わるとき人生も終わる、そうありたいですね」と。(2017.10.07)
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