浅草、浅草寺の仲見世は江戸情緒の残る東京でも珍しい風景なので、東京に観光に来た外国人には人気である。売っているものも、けっこう、オタク的な店もあって、一般的な人気スポットであれば、すぐに、渋谷にでもありそうな、チェーン店に淘汰されていきそうな店も、この浅草のメイン通りで、しぶとく生き残っている。その理由が分かったのは、最近のニュースでである。この仲見世は、土地は浅草寺の物であったが、建物は長く東京都の物であった。だから、店は家賃を東京都に支払っていた。東京都は考えがあってか、あるいは考えなしでかは分からないが、低家賃のまま、長く、店子の関係を続けてきた。だから、ある人たちは店を維持出来てきたのである。だが、このたび、東京都は建物を浅草寺に売却した。だから、家主は東京都から浅草寺に変わったのだ。建物を取得した浅草寺は店子たちに、家賃の値上げを求めた。その値段は近辺の相場、１０㎡あたり２５万円にしたいというものだ。今までは幾らであったかというと同じ１０㎡当り１万５千円である。１万５千円はいくら何でも安すぎると思うのだが、それで維持してきた日本の文化もある。痛し痒しである。仲見世に、ドトールやケンタッキー・フライド・チキンなどの店がオーップンされても困るのである。(2017.10.28)
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