世界史の中では、一つの暗殺事件が世界大戦や大きな戦争、紛争に繋がったということはよくあることだ。その意味で、１９日に、トルコのアンカラで起こった、ロシアの駐トルコ大使アンドレイ・カルロフ氏の暗殺事件はシリア問題やベルリンでのテリ事件などと重なり、不吉な予感を漂わせる。ロシアのプーチン大統領の軍事行動は、トルコを含めて、西側諸国の、それよりも、早くて、過激だ。どこまで、西側諸国が耐えられるか、容認するか、それも不透明だ。不透明であり続けるうちは、ロシアの行動は過激であり続ける。西側諸国の取る方法は依然として、経済的な警告だが、これだと、また、日本は同調を求められて、不利益を受ける。過去のことを思い出してほしい。日本と中国が尖閣で対立していた時に、ヨーロッパは、特に、ドイツと英国は中国との親密さを深めていたのだ。しかし、その逆は許されない。ロシアと西欧が、アメリカを含めて、対立し始めると、彼らは日本がロシアと親密になることを容認しないのである。必ず、共同歩調を求めるのである。不思議なことに、東西冷戦の枠組みが、共産主義の終わった現在も続いているようである。(2016.12.20)
