アメリカの株式市場は７日、ダウ工業株３０種とＳ＆Ｐ総合５００種が過去最高値を更新した。日本の株式市場もこれにつられて、値上がりを続けている。アメリカの大統領選挙で、トランプ氏が勝利し、その政策である景気刺激策や法人税減税、規制緩和といった方針を好感したものである。この状況は彼が正式に大統領に就任する２０１７年１月２０日まで続く見通しである。今は、実際の政策が実行される前のから騒ぎの状況だと多くの識者は感じている。アメリカ経済のフアンダメンタルの状況よりも、トランプ氏の発言の方が重視されているのである。それに、彼の発言がそのまま、実行されるとしても、アメリカの次の政権が予算を組むのは２０１７年の１０月である。この１年近い期間をから騒ぎだけで、支え続けることができるのか。腰倒れにならないかと心配するのである。当面、経済界が懸念しているのは金利の上昇である。ＦＲＢが利上げに踏み切るかどうかは分からないが、失業率も低下している今、実施するかもしれない。そのようなことが重なれば、当然、ドル高になり、債券相場があがり、株価は下振れする。貿易赤字は膨らむので、トランプ氏は怒りまくるというわけである。(2016.12.08)
