土というものはすごいものだ。例えば、キャンプなどで、食べ残したものを土に埋もれさせれば、それらは、いずれ、土に還っていく。匂いも消える。そこには、1万4000種類にも及ぶ細菌がいると言われている。土の中で生きている動物も多い。浜本洋・東京大助教(微生物学)らの研究チームは、これまで、ほとんどの抗菌薬が効かないメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を殺菌する効果のある新しい抗生物質を発見したと発表した。その細菌がいた土壌は沖縄である。結果だけ聞けば、既存の抗菌薬、いわゆる抗生物質が30分かけて、やっと効き始めるのに対して、浜本教授らの発見した抗菌薬は1分間で99.99%の殺菌能力があるという。さらに言えば、これだけの殺菌能力がありながら、人間への副作用がほとんどないという。浜本教授らはカイコを使って、この効果を確認したそうだが、ともかく、私が言いたいのは、土の中には、何やら、夢のような可能性が存在しているようである。(2014.12.9)