東京の新橋からお台場を結ぶ電車「ゆりかもめ」。このユリカモメが渡り鳥であることを知っている人は少ない。冬になり、隅田川には、ユリカモメが見られるようになった。私の家の近くの桜橋には、橋の欄干に、多数のユリカモメが並んでいるので、観光客などは夢中になって、写真を撮っている。ＷＭＯ（国際気象機関）は今年の世界の平均気温が観測史上最高になる可能性があると明らかにした。異常の象徴ともいうべき出来事は、世界中の海の表面温度が高くなったことだという。日本近海でも海面温度の上昇は、台風の大型化をもたらした。そのような気候変動の影響もあるのだろう。冬の渡り鳥、ジョウビタキが日本から、繁殖地であるロシアや中国に、帰らなくなったという。諏訪湖周辺の別荘地などの自然林に、住み着いているという。ジョウビタキにとって、夏の諏訪湖周辺はそれほど暑すぎることもなく、エサも豊富で、別荘地周辺だから、安全でもある。何も、危険を冒して、遠いシベリアの地に行かなくてもよい。そんな選択が、渡りという本能とも呼ぶべき習性まで、わずか一世代で、覆してしまったのだということだろうか。(2014.12.5)
