“最高に癒される犬の笑顔“という投稿があった。私も犬が好きだが、これらの画像がそれほどに癒されるとは思えない。そもそも、犬は笑顔を作るのだろうか。作っていると思うのは人間の錯覚ではないだろうか。そして、彼らが笑顔だというものに、人間の笑顔ほどに、癒されるものはないように思える。私が子供のころに飼っていたシロの喜びの表現は尻尾を振ることだった。顔ももちろん、威嚇するような強面ではない。だが、それが人間のような笑顔かと言われれば、そうではなかったのである。一方、驚くべきことは人間の笑顔だ。人間は、どこに住んでいようと、肌の違いや言語の違いを超えて、喜びの表現として、笑顔を見せる。例えば、太陽系外に生命を得ている宇宙人が、その喜び表現が、地球では脅しのような表現に似ていたとしたらどうだろう。相手はフレンドリーな気持ちなのに、こちらは恐怖を覚えることになる。だが、少なくとも、地球の人同士は相手が笑顔を見せれば、とりあえず、フレンドリーなのである。相手の正確な気持ちは分からずとも、フレンドリーだと分かることが、地球人の先祖はたった一人のお母さんであったことを物語るのである。それが新しい人と人とをつなぐスタートとなる。(2014.12.6)
