相模の国の一宮である寒川神社は雄略天皇のころにはすでに建立されていたとの記録があるほど、古い歴史を持つ御宮である。神奈川県に生まれ育った私であるが、この御宮に参拝する機会はこれまでなかった。だから、いつかは行きたいと思っていたのだが、先日、その機会に恵まれた。友人の車に乗って向かった先に大きなお社が荘厳な雰囲気の中にあった。この神社は平安期のころの陰陽師の影響を受けたのかもしれない。お祓いや祈祷と言ったものから、八方除け、方位除けに優れ、鎌倉時代には源頼朝に、戦国時代には北条氏政、武田信玄と言った武将たちの厚い信仰を受けていたのである。さて、今日のコラムはそのことを言いたいのではない。徒然草の中の仁和寺にある法師の話として伝わる「何事にも先達はあらまほしきもの。」という言葉の重みである。私たちは一通り、境内をめぐり、売店でソフトクリームを食べ、さて、そろそろ帰ろうかと思った時、私の友人が社の裏の風景も見たいと言い出した。なんとめんどくさい事を言い出すものかと思ったが、友人に連れてきてもらった手前、反対する事も出来ず、裏手へと回っていくと、そこに、雄諸あるお宮ならではのうっそうとした森と御庭と展示館があった。お祓いを受けた人しか入れない場所だと言うが、多分、その中の池のほとりの式台で、儀式にのっとった祈りなどが行われるのだろう。友人の発想がなければ、見ることが出来ない場所であったが、寒川神社に来たかいがあったというものである。
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