5月13日の外国為替市場で、日本円は1ドル102円台になり、円安が加速している。円高と円安という問題であるが、おおざっぱにいえば、円高は広く国民に恩恵を与えるもので、円安は、一部の企業や富裕層に有利になるものである。だが、これまでの約5年間、日本は円高に振れていたが、日本社会は沈滞化した。恩恵を受けているはずの国民に、その実感はなかった。デフレであること自体、円高の影響でもあるので、安いガソリンを使うことも、安いバナナを買うこともできたのだが、なんとなく、生活がみみっちくなった。一部の人たちはこの円高を利用して、豪華な海外旅行などをしたかもしれないが、明日の生活を不安に感じる人たちは、それどころではなかった。景気が悪いという状況は気分的に良いものではないのだ。安倍政権が誕生して、一転、円安になった。しかも、急激なので、ニュースになる。輸出企業は軒並み好決算である。株高も、けっして、広く日本国民の利益をもたらすものではないが、なんとなく、気分は高揚する。つまり、この政策が本来の意味で、正解とは限らないのだが、円高にして、これほど、日本社会が落ち込んだのだから、一度、別の政策にしてみてもよいし、あまりに、失敗の時間が長かったために、これを単なる実験で終わらせるわけにはいかないのである。私たちは、なんとか、これに耐えて、成功させなければ、日本の浮揚は無いのかもしれない。そして、これが成功した暁に、再び、修正の時を迎えたいと思うのである。
Y-FP Office Japan
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