風塵社的業務日誌

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夏バテ対策

2019年07月26日 | 出版
小生、文明度の低い信州の山猿ちゃんの出であるためか、低気圧の天気が続くと心身ともに調子が下降する。もちろん、暑いのもダメなのだけれど、雨や曇りのような日は後頭部の奥が目覚めていないような感じになってしまう。人と会って話をしている分にはさほど問題はないのに、なにかの作業に集中しようとしても長続きしなくなってしまう。すぐにウンザリしてしまい、ゲームに逃げてしまう。前にもたびたび記しているけれど、そんな体質の人間が若いころよく福岡で暮らしていたなあと、われながら感心してしまう。福岡というところは、いつも湿度が高く、夏は暑くて冬は寒い。福岡は冬が寒いからきらいと小生が述べると、怪訝な顔をする人が多い。ところが、住んでみりゃわかるのだけれど、冬場になれば玄界灘からの強風が一日中吹きつけ、しかもずっと曇天なのだ。戸外を歩いているだけで体温が奪われていくような感じである。
当時、小生はずっと鉄筋の寮に住んでいたので一般家庭の住宅をよく知らないが、ある福岡在住の方の弟さんが札幌の大学に入学されたそうだ。その弟さん、正月に帰省するたびに「寒い、寒い」と家中の戸を閉めまくっていたそうな。どういうことかを説明すれば、札幌の場合、二重窓にするなどして屋内の気密性を高めて暖房効率を高めようとする。したがって、ストーブを点けてから室内ではTシャツ姿になっていることも珍しくはない光景である。ところが福岡の場合、札幌ほど気温が低いわけがないから気密性は低く、あちこちから隙間風が入ってくる。その風が寒いのだ。しかも日照時が少ないので、コタツに入りながら背中に午後の日差しをポカポカ浴びるような、昼寝にもってこいのような状況にはない。したがって、福岡は冬が寒いからきらいなのだ。
それはともかく、低気圧が続くと朝の目覚めも悪くなる。一度起き出して目覚ましを止め、ボーッとしたオツムのまままた寝入ってしまう。目覚めが悪いと、走ろうなんて意欲がわくわけもない。といって、そこそこ体を動かしておかないと体力が低下しそうで、それも怖い。こちらもいい歳なのだから、通風やら糖尿やらにはなりたくないのである。最近はデトックスなんて言葉を聞かなくなっているけれど、体内の無駄なエネルギーを消費しておいた方が山猿ちゃん的には健康的なことだろう。というわけで、走らなくても歩いて通勤することになった。自宅から会社まで歩いて100分弱というところか。こういう馬鹿げたことができるのは、一人会社の社長ゆえの贅沢だろう。普通の人ならば、その100分がもったいないということになる。
ところがある日、東京の梅雨明けも近いし、そろそろ夏場を乗り切る体力を作らねばならないと考えた。そのためにはジョギング通勤を復活させねばならない。暑さに打ち勝つために、まずは汗を流せということだ。まるで、小生のきらいな高校球児のような発想である。そのうえ、それがただの精神論なのか、それともデータの裏づけのある考えなのかすらも知らず、またそんなことに関心もなく、とにかくジョギングで会社に向かうことにした。背負っているリュックには、もちろん、水の入ったペットボトル2本がささっている。ところが、走り始めるとそのボトルの重さが気になる。どうせ途中で軽くなっていくのだからと、がまんして前に向かっていった。
走り出してから池袋の雑踏を抜けたところまでは、さほどの問題もなかった。ところが、サンシャインビルを通り越したあたりで、早くもバテてきたような感じがする。オツムからは「無理にがんばる必要はないのだから、疲労を感じる前に歩きにもどろう」と身体に指令を出したというのに、脚が勝手に歩きモードになっている。「なんだよ、おまえ。わが身体でありながら、オツムの指示に従わないとはどういうことだ?」とオツムがわめき散らしても、歩いている脚は走りだそうなどとはしない。意と体とは別ものなんだな、と齢50を過ぎてようやく実感する。孔子の場合「五十にして天命を知」ったわけだけれど、小生の場合「50にして、体力の衰えを知る」といったところなのだろうか。
一方、天命とはなんなのだろうか。ウェーバーが『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で述べていた、カルヴァンの職業召命観と共有できる要素を含んでいるものなのだろうか。小生の場合、『論語』もしっかり読み通していないし、ましてやカルヴァンの主義主張など疎いに決まっている。そもそも、キリスト教ってどういう宗教なのかをまったく知らない。したがって、天命なる語に職業召命観をぶつけようとする発想がそもそもうすっぺらいものにすぎないにしろ、なんとなく共通する部分があるのかなあというイメージが生じたというわけだ。ところで、『論語』を含む中国思想に精通し、キリスト教に理解の深い人って、現在の日本にいるのだろうか。もしもいたら、先ほどの問題についてのレクチャーを受けたいものだ。

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