風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

名古屋へ(1)

2017年07月01日 | 出版
書店さんを回ってから、三宮、西宮、京都でいろいろなかたのお世話になる。お礼申し述べます。神戸の新開地というところにも初めてお邪魔したものであるが、ここはなかなかディープな感じで面白そうであった。東京ならば浅草あたりに該当するのだろうか。その後、某土曜日の夕方、名古屋駅の新幹線待合室で妻と落ち合う。出かける前に調べたら、待合室なるものは南と北の二箇所あるようだ。そのため、北側であると妻には伝えておいた。現在ケータイが壊れちゃっているので、そんなところですれ違ってしまったらあとが大変になる。久しぶりに来た名古屋駅、ここもずいぶんと様変わりしてしまっていて、土地勘がまったくもどらない。そういえば、京都駅も建て直してから行ってなかったのだけれど、今回は新幹線口しか使わなかったので、表側の新しいビルを見ることもなく通り過ぎてしまった。残念である。さらにそういえば、名駅の新幹線ホームの立ち食いのきしめん屋さんはまだ営業されていたから、食べておけばよかった。しかし、こちとら食べ鉄というわけもないから、あれもこれもというわけにはいかない。うかがう先々にそれなりの目的があるわけだ。
そして名駅の桜通口に出てみたら、なんと大名古屋ビルヂングがおしゃれに建て替わっているではないか。これにはびっくり。以前にもこの場で述べたことがあるけれど、「ビルヂング」という昔風の表記はともかく、その「大」が名古屋にかかっているのか、ビルヂングにかかっているのか見上げるたびにいつも疑問を抱いてしまう謎のネーミングだ。そのビルが建て替わっても、名称は以前のままというのが素晴らしい。思わず口元から賛嘆の声が出たらしい。それを妻が聞きとがめて、「こんな人ごみのなかで奇声を上げないで!」と文句をつけてきやがる。ところで後日譚として、我々が名古屋を訪れた数日後、妻が東洋経済ON LINEを見てはしゃいでいた。どうしたんだと聞いたら、「あんたが疑問に思っていたことが載っているよ」げな。渡されたスマホを見ると、大名古屋ビルヂングの名称の由来について説明されている。名古屋がますます発展しますようにという願いをこめて「大」の字を冠したそうな。ヘー、そりゃまたトリビアだねえ。
その夜は、錦のホテルに宿泊する予定になっていた。一駅分を地下鉄に乗るのもあほらしいので、夫婦二人してとぼとぼ桜通口からまっすぐ歩いていく。そこで小生の感覚としては、その大通りをまっすぐ進み、橋を越えたあたりで適当に右に入れば目的地だろうという、いま思えば非常にザックリした認識であった。それでも、これまでの小生の地理感覚では、その程度でも大きくはずしたことはあまりなかったはずである。ところが今回は、橋を越えて右に入ったあたりから勘の鈍さを露呈してしまった。大通りから入ったところで、どの路地を曲がれば目指すホテルがあるのかの見当がつかないのだ。それを2、3回も失敗すると、妻のご機嫌も斜めとなってくる。ようやく宿に着いて、小生もやれやれ。その晩は、近くの面白げな炉辺焼き風のお店で軽く一杯飲み、早々に寝付くことにする。
ところがアルコールの量が少なかったのか、夜半に目が覚めてしまう。妻が高いびきで隣に寝ているから、照明を点けて本を読むなり、名古屋ローカルの深夜放送をチェックするわけにもいかない。お店からの帰り道に立ち寄ったコンビニで購入した缶入りワインをチビチビなめながら、こちらは布団のなかでウツラウツラすることになる。睡眠薬の準備だけは抜かりがないわけだ。
いささか寝不足のまま朝を迎え、近くの喫茶店に名古屋モーニングを食べに出かける。コメダ珈琲があったので入ることにする、コメダは東京にもあるから珍しいわけでもないけれど、脚が痛いからあまり歩き回りたくはない。店内に座ると、朝まで飲んでいたと思しき数名の男女がいて、その女の子の声がうるさい。徹夜明けのハイテンションなのだろう。睡眠不足でローテンション気味の小生の耳に突き刺さる。しかし、小生はS氏のように面と向かって相手に文句を言えるような度胸もなく(ただの楽屋落ち)、朝日と読売を読み比べることにした(中日が置いてなかった!)。
コメダ珈琲の当たりさわりのないバタートーストを食べ終えてから宿にもどってチェックアウトし、荷物を抱えて兄の家に向かうことにする。東山線に乗りたいのだけれど、さて、駅はどっちだ? 目の前に伏見地下街なるレトロモダンめいた地下への入り口があり、そこを抜ければ東山線の駅にも通じるような表示が出ている。面白そうな入り口なので表示を見たら、あいちトリエンナーレの際にアート作品として造形したもののようだ。地下への扉は閉まっているけれど、押したら開いたのでそのまま夫婦二人して降りていったら、後ろからおっさんの声で「入っちゃダメです」と呼び止められた。小心者の小生もこれにはさすがにムカッとなり、「な~んやきしゃ~ん、なん言いよっとや!」という気分で振り返ると、「日曜日にここは開けてないんです。きょうはイベントの準備でたまたま開けていただけで、入っちゃダメなんです」げな。しょうがないから、そのおっさんに駅の場所を聞き、トボトボと階段を上がっては地下鉄を目指すことになった。

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