ピカソ・マニマニア

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葦毛の湖

2010-10-31 23:33:25 | 詩作





葦毛の馬は 生まれた時は 灰色や黒、 もしくは母親の毛色(葦毛の牝馬は少ない)。

長ずるにつれ 白くなっていきます。

英語では grey horse 。

葦毛であるという事は 青年~壮年期であるといえます。





 葦毛の湖


昔 むかし
魔女が王子に恋をしました

近くの森に10人の供を連れて
度々狩りにやって来るのを見かけていたのです

けれど決して王子は
魔女の住む森には入ってきませんでした
父王からきつく禁止されていたからです

ある日 光り輝く白鹿を見かけた王子は
追いかけて追いかけて魔女の森に迷い込みました

白鹿は森の真ん中の草原に立ち止まり
王子を振返るとたちまち美しい娘に変身しました

構えた弓を脇にかかえなおして王子は
美しい娘の立つ草原に足を踏み入れました

草原と見えたのは実は碧い湖でした
王子はたちまち水底に引き込まれていきました

遅れてきた従者たちも
草原の真ん中にとり残された王子の弓に近寄ろうとして
次々と水底に沈んでいきました


そう 輝く白鹿も美しい娘も魔女が変身していたのです


王子と従者たちは魔法で葦毛の馬に変えられ
碧い湖の水面が馬場、そこからは出られなくなりました


星の美しい夜に
魔女が美しい娘の姿になり横笛を吹くと
その夜だけは王子たちは人間に戻れたのです


ある日魔女は700才の寿命を全うして死にました
魔法のとけない王子たちも連れて


むかし 昔 
王子たちがこの湖にいた証、こうやって葦毛の足だけが
今も水面に立っています


星の美しい夜にはきっと
王子を先頭に総勢11頭44本の足が
横笛を吹く美しい娘、貴女に向かって近づいて来るでしょう





     風呼r  でした      




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