ピカソ・マニマニア

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” ワインズバーグ・オハイオ ”  アンダスン著

2020-06-16 17:24:25 | 

 

アメリカ オハイオ州の架空の町 ワインズバーグに住む人々を描いた22編の短編集です。

時代は 南北戦争から 2~30年後 。

 

ジョージ・ウィラード という弱冠はたちに満たない地方新聞記者を中心に 本書の冒頭作のちょっと 『グロテスク』な人々が描かれています。

どの短編も 多分老いたジョージ・ウィラードと思われる作者の それぞれの人物に対する マイナーな 思い込みというか決め付けから始まっています。 22編、しょっぱなからなのでそれぞれ慣れるのが結構しんどい。

作者は はたちになる前に 小説家になるべく このワインズバーグを出ていくのですが、地方記者時代に町中を駆け回って集めた情報を書いたのでしょう。

 

宗教は プロテスタントの長老派、支持する政党は共和党。

緯度は日本なら東北の40度くらい。

いちご トウモロコシ りんご の収穫の様子が 作品に書かれています。

 

ひとのグロテスクな内面に 容赦なく食い込んでいく手法は フォークナー、ヘミングウェイ、カーバ― 等に大きな影響を与えました。

日本では 佐藤泰志の 『海炭市叙景』 山本周五郎の『靑べか物語』になぞらえられるんだそうです。

 

移民の多くはアイルランド系と思われる 小さな集落の 閉塞観が伝わってきます。

二グロも インディアンも出てきません。

不思議な 読み返したくなる物語です。

 

1919年発表。

1914年に発表された ジェイムズ・ジョイスの 『ダブリナーズ』に 強く影響をうけたそうです。

 

 

      by  風呼     

 

 

 

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