台風15号上陸の 9月21日のマチネ公演(午後2時開演)に行ってきました。 観客席はほぼ満員でした。
つかこうへいさんの 一周忌の追悼公演です。
物語はこうです。
明治天皇の姉として生まれた女の子が 名剣と共に世から忘れ去られた 谷に捨てられる。何故か勝海舟が連れ去り 徹底的に刺客になるべく 男の子として育てる。 沖田総司と名付けられ長じて立派な剣士になった女の子は 海舟に坂本竜馬を討てと命じられる。
海舟の父、小吉を殺めた総司は 追われて 赤子の時に捨てられた谷に 向かう。 そこは近藤勇を始めとする 新撰組の集まりだった。 そこで土 方才蔵と相思相愛になる。
総司は当然 坂本竜馬に遭遇するのですが 竜馬に女と見破られ 一目 惚れされる。
「身分制度もなく 女が笑って暮らせる世の中をつくる」 と言う竜馬を 総司も愛するようになるのですが 海舟に刷り込まれた 竜馬を殺す (改革には竜馬は必要だが 政治にはあの優しさは命取りになる) という 使命を全うする。 労咳で自らも死に あの世で竜馬が望んだウェディングを着る です。
沖田総司役の 鈴木杏さん、 この稽古写真の殺陣のポーズからもわかるように エネルギッシュに動き回り 本物の剣士のようです。 この女優さん、 今年初めに見た舞台 ”トップガールズ” にでていらして 寺島しのぶ、 麻美れい、 渡辺えり、 小泉今日子、 そうそうたる女優さんた ちに ひけを取ってなかった。
映画 ”ヒマラヤ杉に降る雪” で 工藤夕貴 の少女時代を演じていた そうで 私は少女の役の方がいい と思っていたのです。
映画 ”まほろ駅前多田便利軒” にもでていらっしゃいましたが それぞれ全く異なる面を見せられ 大したものだと 感心していました。
で この劇です。 前の三つのパターンとも 全然違う。 殆ど出ずっぱりで 動きっぱなし。 ダンスの基礎ではない 癖とブレのないアクションに 見 とれました。
ジョディ・フォスターや ナタリー・ポートマンのような 子役上がりの名女優が 日本にもとうとう現れた?
坂本竜馬に 馬場徹さん。 スポーツ系によくいる おバカに見える軽い ノリだけど まっすぐな人 (私は結構好き) を 鍛えられた (この人は ヒップホップ系のダンスの身体の動き)できっと本当は竜馬はこんな人だったんじゃないかな と思わせてくれました。 ブラボー。
その他 岡田以蔵役の 和田正人さん(この方箱根駅伝で日大のキャプテンだったそう) の動き、 桂小五郎役の 吉田智則さん、 劇団EXILEの 小澤雄太さんのブレークダンス 等 印象に残りました。
勝海舟役の 加藤雅也さんですが ほかのメンバーとちょっと色が違うかな? 姿形も声もそれなりに美しいのですが 小さくまとまりすぎで 他の俳優さんたちのような 爆発力がない。おじん臭い。 これは単に年齢のせいだけではないと思う。 演出はそれを狙ったのかもしれませんが それは 彼の地だと思います。
出かける直前まで迷ったのですが行って良かったです。 面白かったぜよ。
カーテンコールで鈴木杏さんのお辞儀が一番深かったのが印象的でした。
風呼 でした