うーん、懐かしいアルバムだ。ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団といえば、現在でも毎年正月になると日本にやって来て、ほとんどベンチャーズ並に日本の津々浦々でウィンナ・ワルツを演奏する「ニューイヤー・コンサート」をやっていているのだけれど、このアルバム1990年、アルフレッド・エシェベが率いていた頃に、確か日本資本で制作されたアルバムだった。カラヤンがニューイヤーに登場して以来、日本でも「新年にウィンナワルツ」というイベント人気がにわかに高まってきた時期でもあり、それに乗じて作られた、思えばかなりバブリーなアルバムであった。当時の私はカラヤン、アバド、クライバー、メータと立て続けにスター指揮者が登場し、以前にも増して華麗なるイベントへとイメチェンを遂げた本家ニューイヤー・コンサートの華やかさに、きっと煽られてしまっていたのだろう、このアルバムが出た前後数年間はお正月といえばこのウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団やウィーン・フォルクスオーパーの来日公演に、柄にもなくお洒落してけっこう通ったものだった。まさにバブルの時代、わが青春の80年代である(笑)。
さて、このアルバム、ずいぶん久しぶりに聴いた。なにしろ近年、正月にウィンナ・ワルツを聴くとなれば、既に20年分はストックしたニューイヤーコンサートのライブ盤はあるし、カラヤンのスタジオ盤、ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団にしたところでボスコフスキーのアルバムと百花繚乱状態だったので、このアルバムのことはほとんど忘れていたといってもいい。先ほどから、新調したヘッドフォンで聴いているのだが、意外にも....などといったら失礼だが、実に素晴らしい演奏だ。例の2拍目と3拍目の間隔がちょいと長くなる、どちらかといえばウィーンのローカルなリズムに、ふんわりとしてちょっと厚ぼったいこれまたウィーン風なサウンドをベースにしつつ、そこに適度に現代的なスマート感を加味したその演奏は、いい意味で匿名性の高く、スタンダードな安定感があって、聴いて気持ち良いことこの上ないのである。シャープに弾けすぎない「こうもり」、この曲がワルツであることを再認識させる「オーストリアの村つばめ」、壮麗さが勝ちすぎない「美しく青きドナウ」、もっさりとしたところが逆にひなびた風情を感じさせる「ラデツキー」などなど、その楽しさはなかなかであった。明日にでもさっそくiTunesライブリに入れるとしよう。
さて、このアルバム、ずいぶん久しぶりに聴いた。なにしろ近年、正月にウィンナ・ワルツを聴くとなれば、既に20年分はストックしたニューイヤーコンサートのライブ盤はあるし、カラヤンのスタジオ盤、ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団にしたところでボスコフスキーのアルバムと百花繚乱状態だったので、このアルバムのことはほとんど忘れていたといってもいい。先ほどから、新調したヘッドフォンで聴いているのだが、意外にも....などといったら失礼だが、実に素晴らしい演奏だ。例の2拍目と3拍目の間隔がちょいと長くなる、どちらかといえばウィーンのローカルなリズムに、ふんわりとしてちょっと厚ぼったいこれまたウィーン風なサウンドをベースにしつつ、そこに適度に現代的なスマート感を加味したその演奏は、いい意味で匿名性の高く、スタンダードな安定感があって、聴いて気持ち良いことこの上ないのである。シャープに弾けすぎない「こうもり」、この曲がワルツであることを再認識させる「オーストリアの村つばめ」、壮麗さが勝ちすぎない「美しく青きドナウ」、もっさりとしたところが逆にひなびた風情を感じさせる「ラデツキー」などなど、その楽しさはなかなかであった。明日にでもさっそくiTunesライブリに入れるとしよう。