3回前の日記(11月4日)で未確認鎮座物体と遭遇した話を記しましたが、こんやはその続きでございます。
先の日記の最後で、GGI、この未確認鎮座物体の正体が分かったと申しました。もったいをつけずにズバリ申し上げますと、この物体は環境中の放射線を測定する装置であります。
この旨をこの未確認鎮座物体君に対して宣告したところ、この物体は申しました。
「オッサンはボクが名札を付けていないから何物かわからんのや、とおっしゃいますが、よく見なさい!円筒のまんなかあたりにプレートがついているでしょう、そこに何やらボクの名前らしきものが書いてあるのです」
そこでGGI、この物体に最接近し、フェンスから乗り出して円筒の部分を覗き込みました。なるほど小なプレートが横向きにネジでとめられており、一行、何やら書いてあります。このプレート、ネジの直径が1センチ前後でしょうから、幅はせいぜい数センチ、長さは数十センチ、これから推測いたしますと文字の大きさは2センチ位というところでしょうか、ですから思いっきり近づかないとはっきりと読み取ることはできません
みなさん、果たしてそこには何と記されていたのでありませうか?
ここでお手数ですが写真をクリックして大きくしてご覧くださいませ
そこに記されていたのは・・・
「モニタリングポスト検出部」
なんと、たったのこれだけです!他に何も記されておりません、まったく驚きであります、なんと、何をモニタリング(監視する、見張る)のか、肝心の事柄が記されていないのであります!目的語がないのであります。もちろん誰がモニタリングを意図しているのか、主語も欠落しております!これでは「監視装置検出部」と表記しているのと同じことです
おいこら!
オマエはいったい何を監視するというねん!はっきり言わんかい!
大気汚染を監視するのか、電磁波でも監視するのか、それとも怪電波か!
それとも柿ドロボーのオッサンか、交通違反のニイチャンか、それとも脱税常習犯か!
それとも道行くベッピンか、それとも必ずしもベッピンならざる通行人か!
それとも一見善良なる市民か、一見善良ならざる市民か!
それとも挙動不審の徘徊ふうロージンか、それともアホ・ヨッサリアンか!
それとも某国のスパイか、テロリストか、それともピンボケ・ペイトリオットか!
それとも某仮想敵国のミサイルか、某仮想同盟国のミサイルか、それともドンドン22号か!
それともわが領土らしきものに関するいざこざか!
それともGGIのようなハンサムで賢いシティボーイを監視するというのか!
それとも原発・核物質由来の放射線か!
おい、お上が見張っておきたいと思うものは世の中にゴマンとあるのや
いったい何を見張ってるんや!
おい、はっきりせんかい!責任者出てこい!
邪推の達人であるGGIは、それでも、こんな手抜き表示でありましても、これは放射線のモニタリング装置であることに間違いないと強固なる確信を持つことができます。ですが、放射線にあまり関心がないか、どうでもよいと思っている人が目にしたら、おそらく何のことが分からないでありませう。
どうして、このようなあきれた表示内容の小さなプレートが付されているのでありませうか、その理由ははっきりしております、この物体を鎮座させた者は、要するに、この物体が何であるか、できるだけ国民あるいは市民と言われる人々に知らせたくなかったのであります、ですから、できるだけ手がかりを与えないように、のっぺらぼうの目立たないデザインを施し、最小限の条件をも満たしていない、できるだけ小さな目立たない表示プレートを付したのであります。
正確に申し上げますと、この「未確認鎮座物体」とGGIが名付けた物体は、昨年3月11日に起きた福島第一原発の一連の大事故の後、わが国の文部科学省なる役所が、これはタイヘン、全国土における環境中の放射能を常時測定しなければと思いつき、全国各地、都道府県に委託しておよそ二百週十カ所に配備した低線量の放射線を測定するためのモニタリングポストの一つなのです。
文部科学省のお役人たち、あるいは政府の原発関係のお役人たちが、なぜこの物体をできるだけ目立たないようにしたかったのかは、賢明なるみなさんには今さらクドクド説明するまでもないでありませう
全国に放射線計を設置する必要がある、できるだけ速やかに設置しなければならない、しかしながらできる限り人目につかないようにしたい、このようなお役人の姑息な悪知恵の成果が、人を喰った内容を表示した、あきれるばかりに小さな表示プレートなのです
おそらく、今この国のあちこちで、原発事故以後、このようなおかしなことが起きているのでありませう・・・腹立たしいというよりも、まことに情けない限りというか、ただでも気力に欠けるGGI、この物体のように鎮座するしかないのでありませうか・・・・
グッドナイト・グッドラック