十月末の某日、GGIはミッションを決行しました、JRで湖北の町へと向かい湖西線の某駅で下車しますと、わが優秀なる現地駐在エージェントたちが待っていました、昨年末、ビレッジの手先とのバトルを生き抜いた仲間たちです、
真正ハンサムシティボーイであるコードネームは第一の男、一見しても二見してもやっぱりそのスジの人物にしか見えないコードネームは第二の男、ドイツの宰相メルケルふうの冷静沈着女性エージェントであるコードネームはモニカ、そしてコードネーム99号であるところのGGIの4人、プリウスとインサイトに分乗して放射能汚染地帯へと向かいました
湖に沿って風光明媚な田園地帯を走ること二十分ばかり、湖岸に近づいたなあと思ったら車が停まりました
目の前には、何か大きな工場でも建てるのでしょうか、整地された広々とした土地が広がり、クレーンや工事用の車両がさかんに動き回っています
GGIは申しました
「なんだ、ここが例の現場なのか、これは工事現場やないか?」
第二の男が答えました
「いや、例の現場はこの工事現場の奥、あの茂みがあるところ、ここはちかごろ大流行のメガソーラー建設用地や、自然エネルギーと放射能汚染地帯が隣り合わせ、まことに結構な組み合わせやろう」
というしだいで工事現場の奥まで進みますと、目の前に立て看板と鉄製の頑丈な門扉が出現、門扉の手前に車両の進入を阻止する金属パイプの置物、立て看板には大きな文字で「立ち入り禁止」と記されております
ここでよろしければ写真をクリックしてご覧ください、放射能汚染地域の入り口の遠景です
車から最初に降り立って第二の男が門扉のところまで行ってもどってきてのたまいました、門扉の向こう側の道路にはブルーシートが一面に敷き詰められています
「99号よ、せっかく遠路はるばる足を運んでもらったが、この門扉、本日は厳重に施錠されているぞ、どうする、入ろうと思えば門扉のわきの茂みをかき分けて簡単に入れるけれど」
「それなら入ればいいじゃないか、せっかくここまで来たのに手ぶらで帰るわけにはいかん、そんなことしたらあのニャーニャの野郎に何を言われるかわからない、《99号よ、よくやった、おまえはほんとに優秀なアホや》などと皮肉を浴びせられて、あいつの鋭い爪でかきむしられるのはゴメンや」
「そうは言っても、立ち入り禁止の看板があるうえ、施錠されているのに、それを無視して故意に汚染地帯に立ち入れば、不法侵入ということになりヤバイぞ」
「あのなあ第二の男や、おまえ、でかいズウタイとでかいツラしていて、その筋の人間そっくりやのに、あんがい気が弱いのやなあ、しっかりしろよ」
「99号よ、オレは気が弱いわけやない、おまえは何も分かっていない、あのなあ、当局はやなあ、オレたちが違法行為を犯すのを待ち構えているのや、勝手にオレたちが入り込んだら奴らの思うつぼやないか、よく考えろ」
「う~ん、そういうことなら、こういうのはどうだ?これからこの日記に記される汚染地帯不法侵入物語はすべてフィクションということにしたらどうや、《このドラマはすべてフィクションです、実在する人物や現存する場所などとはまったく無関係です》ですというキャプションをいれるんや」
「99号よ、おまえは思っていたよりカシコイなあ、それはグッド過ぎるぐらいグッドなアイディアや、そうや、フィクションで不法侵入することにしよう」
「そうやろ、おれ、かしこバカとか自称しているけど、ほんまは賢いのや」
かようなしだいでフィクションとしての汚染地帯不法侵入を敢行することにしました、かたわらで真正ハンサムシティボーイの第一の男とメルケルふう冷静沈着女性エージェントのモニカが「あんたら何アホなこと言うてんねん」という表情で突っ立っておりました、さてどうなりますことやら・・・
(この日記、続くかもしれません)
グッドナイト・グッドラック