昨夜、NHKのBSが「テレビと《戦争》」と題して長編ドキュメンタリー番組を放映していました。NHK制作、前篇と後編あわせて100分という長編、再放送のようでありました。
全部見たわけではないのですが、内容はウクライナ紛争に際してのロシアとウクライナ両国におけるテレビによる戦争報道がどのようなものであったかを検証したものでした。
戦禍が激しくなるにつれ、当初は冷静であった両国のテレビ局はその報道記者たちは、しだいに自国に有利な報道しか行わないという、極めた偏った報道へと傾斜していきます。
そうした状況のなかで、組織に縛られ、苦悩し翻弄される大きなテレビ局の記者の様子や、小さいながらもインターネットのテレビ局で両軍の行動や戦果に巻き込まれた人々の姿を公正に報道しようとする記者の姿など追ったドキュメンタリー、テレビによる戦争報道の問題点に迫ったなかなかの力作であるといってよいでありませう。
この番組のなかで、モスクワ大学に新設されたテレビ学科の授業、階段教室で教授が臆面もなく次のように述べるシーンがありました
「テレビは国家の巨大なプロパガンダ・システムである。したがって君たちは国家にとってきわめて重要な仕事をすることになるのである」
あまりにも正直と言えば正直、あけすけと言えばあけすけ、GGIはこのことばにあきれてしまいました
しかしながら、この教授の言葉の趣旨、よく考えてみれば、いやたいして考えなくても、NHKの現会長、モミイ君の「NHKの放送内容は、日本政府とかけ離れたものであってはならない」というおバカ発言と実質的に同じことであることに、GGIはテレビを見ていておそまきながら気づいたのであります。
そろそろNHKの次期会長選任の時期が迫り、会長選任の権限を有している経営委員会のトップに、NHKは国営放送であると思い込んでいるこのおバカ会長さんに肯定的である人物が就任したとも伝えられている今日この頃でありますので、公正な報道のあり方をテーマにしたこのドキュメンタリーの再放送は、まことに時宜が適ったものであったというのがGGIの感想であります。NHK・BSの番組編成者の方々に敬意と感謝の意を表明いたします。
もっとも現会長さんは、タイヘンなおバカさんのようでありますから、上記のモスクワ大学の先生の言葉を聞いても、「わが意を得たり」と思うだけのことかもしれまませぬ
日本はただいまどこの国とも戦争しておりませんので、このドキュメンタリーに見られるような極端に偏った報道を行われていないのではないかとは思うのですが、それでも安心はできませぬ。
いつであったか、中国の漁船が海上保安庁の巡視船めがけて激突するという事件がありましたが、あのときのNHKを含む日本のテレビ局の報道ぶりはかなり過熱、中国悪者に徹した報道でありました。
そうでなくても、普段の中国・北朝鮮に関する安保・軍事がらみの問題や事件の報道、情報源が乏しいという事情も影響しているのかもしれませんが、テレビも新聞も、大半は、中国、北朝鮮、勝手きままな危険な悪と秘密に満ちた帝国といったワンパターンの認識のみを基調にしているようであり、マスコミ諸氏のこの単細胞振りをGGIはたいへん危惧しております。
このままでいけば、中国や北朝鮮と何か少しでも何か具体的ないざこざが起きたならば、あっという間にこのNHKのドキュメンタリーに見られるように、日本のメディアは日本に有利なことだけを伝える「国家の巨大なプロパガンダ・システム」になってしまうのではないか・・・ということがGGIの邪推に過ぎないことを願っております。
今日の写真はこの番組の一シーンを撮ったものです。ウクライナの街中、あちこちに貼られている愛国心に訴える兵士募集のポスターです。よろしければクリックしてご覧くださいませ
グッドナイト・グッドラック!