UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

大海の一滴・・・一年間にたったの0.4グラムのトリチウム水・・・でも・・

2023-09-05 01:18:43 | 日記
去る8月24日から、2011年に大事故をし起こした東電の福島第一原発から「処理水」なるものの海への放出が開始されていて問題になっていますね。この「処理水」の中に人間など生き物に有害な放射線を発する物質、すなわち放射性物であるところの「トリチウム」という、水素の親戚筋にあたる元素が含まれているため、いろいろ問題になっています。

トリチウムは実際には化学的には「トリチウム水」という形で存在しています。トリチウム水というのは水の分子が持っている2個の水素のうちの1個がトリチウムと置き換わったものなのですが、この「トリチウム水」が放出される「処理水」の中に混じっているため、そんなものが含まれているものを海に捨てたりして大丈夫か、と問題になっているのです。

国と福島原発事故を起こした東電は、このトリチウム水が含まれている「処理水」を海水で薄めてから1年間に22兆ベクレルを超えない範囲で海へ捨てると言っています。ベクレルというのは放射性物質の量を示す単位なのですが、22兆ベクレルなどと言われても、「兆」というぐらいだから、おそらくスゴイ量なんだろおなああと思うだけで、いったいどのくらいの量なのか、私たち普通の市民にはさっぱりわかりませぬ。ですから、そんなこと言われてもなあ、事の良し悪しはわからんやないかあ・・・などと思っていましたら、青山学院大の岸田一隆という先生が、8月23日の毎日新聞(デジタル版)で、22兆ベクレルってどのくらいの量なのが具体的に説明してくれていました。先生曰く

「22兆ベクレルというと大変な量のように感じられるかもしれないが、純度100%のトリチウム水に換算すると、たったの0.4グラムであり、これを1年間かけて海水で薄めて放出するので、環境に対する影響はほぼないと考えられる・・・」

えっ、0.4グラム?!みなさん、たったの0.4グラムですよ、ポタポタっとお醤油をわずか数滴といった量です。これはまさに「大海の一滴」・・・まあ、この先生のおっしゃる通りならば、たったの大海の一滴であれば、おそらく大丈夫だろうなあ・・・それに、トリチウムを除く技術は今のところ存在していないので、世界のあらゆる原発や使用済み燃料の再処理工場からも、それに軍関係の核兵器関連施設からも、普段トリチウムが放出されており、その量が22兆どころじゃない何百兆ベクレルとか、もっともっと大量の、とんでもない量のトリチウムを出しているところさえあることを考えれば、まあいいか、しかたがないか・・・などと思ったりいたします・・・しかしながら、実はことはそう簡単ではありませぬ・・・

と申しますのは世の中には「風評被害」なる厄介なものが存在しているからです。福島県の漁民の皆さんが最後まで放出に強く反対していたのは、今でも反対しているのは、この風評被害を懸念しているからです。あの大事故後、約十年のあいだ、事故に起因した実害と風評被害に悩まされながらも漁業再開に向けて営々と努力を重ねてきて、本格的再開に向けてあと一歩というところまできて、またしても風評被害が起きたりしたら、今までの努力は台無し、まさに水の泡・・・このため、福島県の地方紙「福島民報」の世論調査では、福島の大半の方々は風評被害をかなり心配しているとされています

それに国と東電は8年前に「関係者の理解を得ずにいかなる処分も行いません」と漁業関係者にはっきり約束していたのですから、すなわち「放出」なんか決してしませんとしていたのですから、このたびの「処理水」の放出は約束違反そのもの、国が約束を勝手に破ったりしてはいけません。ウソはいけません、ドロボーの始まり。ですから弁解無用、やはり、たとえ上記の岸田先生がおっしゃるように、たったの「大海の一滴」に過ぎないとしても、放出は中止すべきでありませう・・・

「大海の一滴」は、初めは一滴に過ぎなくても、「風評」によって何滴にも、何十滴にも、何百、何千、何万とどんどんどんどん、無限に膨れ上がっていくのです・・・その結果、隣国の中国が「日本の水産物はぜ~んぶ危ない」と言い出すなど、巨大な「政治的風評被害」とも言うべき事態も起きたりしているのです・・・

今日の写真は、「大海」の写真が手元にありませんので、近くのわがマザーレイク「びわ湖」の写真を借用しました。この写真を見ながら「大海の一滴」ってどのくらいなのかお考えくださいませ

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・
グッドナイト・グッドラック!